現役産婦人科医の時間外診療

読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

現役産婦人科医の時間外診療

現役産婦人科医が診察室では説明しきれないことをまとめてみます

花粉症がひどくなってきましたね 妊娠中や妊娠を考えている人は薬が飲めないの?

1か月程前から妊婦健診中に花粉症の薬も希望される方が増えてきました。

正直、市販されている薬すべてを把握するのは難しいので、薬を飲むのであれば、こちらから処方している薬を使ってもらった方が安心できます。

ですので、今回は処方薬の中で、妊娠中に使えるものを紹介したいと思います。


とは言っても、花粉症に対して使う薬の中で、妊娠中に絶対ダメっていう薬は、基本的にはありません。

この薬を使ったら、例えば流産の確率が上がっちゃうとか、奇形の確率が上がっちゃうなんて危険な薬があれば、大々的に禁止されちゃいます。

なので、どの薬も似たり寄ったりなんだけど、その中でもどうせ飲むならより安全な可能性を追求したいよね、っていうレベルでのお話しになってきます。




これ、4万くらいで購入したんですが、電子書籍だと2万以下だったんですね・・・


・・・まぁ、購入額の件は置いといて、この書籍がよくまとまっています。7,8cmくらいある分厚い本で、ほんと邪魔になるんですけど、それぞれの薬について論文で検証された結果が細かく記載されているので、信頼度が高いんです。


ですので、今回はこの本に基づいて、花粉症の薬をリスク分けしてみたいと思います。


まず、花粉症でよく使う薬は抗ヒスタミン薬という分類の薬が多いです。製品名で言うと、アレグラとかアレロックとかいうやつですけど、市販もされたりしているので、名前を聞いたことはあるかと思います。

たしか嵐の大野君がCMしていたような・・・


そんなわけで抗ヒスタミン薬のリスクについて説明していきます。

ヒスタミン薬は、第1世代と第2世代にわかれていて、最初に開発されたのが第1世代、後から開発されたのが第2世代になります。

最初に開発された第1世代の方が、使われてきた歴史が長いので、それだけデータがそろっており、必然的に妊娠中に使っても安心ですよ、という論文も多くなっているんですね。


商品名で言うと、


レスタミン

ポララミン


あたりですね。これらの薬は、さっきのぶあつーーーーい本の中で、妊婦さんが内服した論文でも動物実験でも問題なかったと言われています。

第二世代の薬としては、

アレグラ

アレロック

クラリチン

あたりが有名です。

この中だと、比較的アレロックがリスクが低いです。第1世代に比べれば、少しリスク分類では下がるんですが、アレロックの薬の成分から推測したり、同じような薬での実績を考えれば、大丈夫だろうと推測されるため、比較的安全だという分類になってきます。

クラリチンやアレグラに関しては、妊婦さんが内服して奇形が増えたとかいうデータはないのですが、動物実験ではそれなりの奇形が生じたというデータがあるため、第1世代やアレロックよりも少しリスク分類が下がることになります。

とは言っても、その動物実験でも人間に使う量の何十倍もの量を投与した結果、奇形が生じたというデータだったりするので、それだけで妊娠中には使っちゃダメ、っていうのは言い過ぎな気もします。


赤ちゃんへのリスクを考えれば、もちろん第1世代で治療しましょうっていうことになるんですけど、第1世代のレスタミンとかポララミンって副作用で眠くなるんですよね。しかも、製薬会社が出している薬の説明書には、


眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないよう十分注意すること。


なんて書かれているんです・・・

都会ならまだしも、田舎で車運転するな、なんて無理でしょ・・・

アレロックの説明書にも同じことが書いてあるし、アレグラにはその記載がないし、すごい大量に投与した動物実験での結果なんだから、眠気の副作用考えたらアレグラにしておこう、っていう考えにもなるわけです。

あるかどうかわからないリスクにおびえて、説明書に書かれている眠気のせいで事故って死んじゃったら、意味がないですからね。


実際に処方されたときには、それぞれの主治医の先生の考えがあってのことなので、心配であれば主治医の先生に相談してもらうしかないわけですが、少なくとも妊娠中は薬なんてダメだから花粉症我慢してね、っていう方針はないと思うので安心して下さいね。