平和島レディースクリニック

診察室では説明しきれないことを中心に

妊娠中の塗り薬について

妊娠前から皮膚科で出されていた薬を妊娠中も継続していいのか聞かれることがとても多いので、今回は妊娠中の塗り薬について説明したいと思います。


一番よく処方されている薬の種類としては


ステロイド軟こう


というものですね。かゆみや炎症に対して処方されることが多いと思います。


ステロイドというと、効果はあるけれど副作用もある、というイメージがあると思います。実際、妊娠中にステロイドを内服することで奇形の確率がわずかばかりあがった、という論文があったり、それを否定する論文があったりと、なかなか判断が難しい薬になります。

基本的には、ステロイドを使わないことで妊娠中の体調が相当悪くなるのであれば、ステロイドを使うメリットの方が大きいと判断して継続することになります。

ただし、それはステロイドを内服する場合のこと。


今回お話ししているステロイドの塗り薬であれば、基本的にそのような副作用は考えなくても大丈夫です。


というのも、皮膚に塗ったステロイドが皮膚から吸収されて全身に回り、赤ちゃんまで到達する量はごくわずかだからです。

ですので、決められた量を決められた部位に使うだけであれば、赤ちゃんへの影響はまず考えなくて大丈夫。


ちなみに、薬の添付文書には、


妊婦又は妊娠している可能性のある婦人に対しては大量または長期にわたる広範囲の使用を避けること


とありますので、ここからも広範囲に使うものでなければ大丈夫と言えますね。


次にニキビの治療薬についてですが、これはかなり注意が必要になるため、また別の機会に説明したいと思います。

簡単に言うと、


アキュテイン


という薬は要注意です。日本国内ではまだ承認されていない薬なので、ニキビ治療薬を個人輸入している場合や、皮膚科の先生が特別に輸入して使っている場合などは、注意が必要なので、気を付けてくださいね。