イソフラボンと乳がんリスク
先日、イソフラボンと子宮体癌の関係性はあまり無さそうだ、ということをまとめたのですが、今回はイソフラボンと乳がんとの関係についてまとめてみたいと思います。
まずはイソフラボンについての説明から。
大豆や納豆に多く含まれる成分で、食事だけではなく、サプリで摂取することもあるイソフラボン。そのイソフラボンは、エストロゲン様作用をすると言われており、更年期に効果があると言ったり、豊胸に効果があるとうたっているものまであります。
我々、産婦人科医としては、エストロゲンを投与することで起きる副作用が気になるところ。
子宮体癌に関しては問題なさそうですが、乳がんに関してはどうなのでしょうか。
こちらは、国立がん研究センターの論文です。
約2万人の女性を10年間にわたって調査したところ、大豆や納豆を沢山食べてイソフラボンの摂取量が多いグループと、それほど摂取していないグループで比較したところ、多くのイソフラボンを摂っている方が乳がん発生率は低いという結果になりました。
イソフラボンにはエストロゲン様作用があるものの、エストロゲンと全く同じ働きをするのではなく、エストロゲンに似た作用をすることで、本来のエストロゲンの働きを抑えて、乳がんリスクを減らすのではないか、と考えられています。
イソフラボンが女性ホルモンに似た作用をする、ということから、副作用として子宮体癌や乳がんの心配をしなくていいのか、という疑問に対しては、まず心配はいらないと考えて良さそうなので、体調に合わせて摂取してみてくださいね。