りんご病が流行っています
両頬がリンゴのように赤くなる「伝染性紅斑」、通称 りんご病が首都圏や東北地方を中心に流行しています。
りんご病は、パルボウィルスが原因で、熱や咳、くしゃみ、関節痛など風邪のような症状が出るのですが、大人の場合はほとんど症状が出ないこともあります。
ウィルスに感染すると1週間ほどで風邪のような症状が出てきて、この時期に最もウィルスを排出して、周りの人に感染させるリスクが高くなります。
さらに1週間ほどすると、典型的な発疹などが出るのですが、その頃には周囲への感染リスクは下がってきます。
- 感染経路と予防
感染した人の咳やくしゃみなどの「しぶし」を吸い込む事で感染したり、食器を共有したり、同じ道具を使ったりして、ウィルスを自分の口や鼻に運ぶ事で感染します。
食器を共有しないこと、マスクをする事、手洗い・うがいする事が予防につながります。
- 妊娠中に感染すると
妊娠中にりんご病に感染すると、赤ちゃんが貧血になる事があります。貧血が進むと心不全となり、体がむくんで、胎児水腫という状態になる事があります。
妊娠20週より前の妊娠初期に感染すると、20%の確率で胎児に感染し、そのうち20%が胎児貧血や胎児水腫になると言われています。つまり、りんご病に感染した妊婦さんの4%に影響が出る、ということです。
妊娠28週以降の妊娠後期に感染した場合の赤ちゃんへのリスクは更に低いと言われています。
りんご病による影響は赤ちゃんの貧血だけで、奇形などの障害を引き起こすわけではなく、また、感染したとしても、赤ちゃんに影響の出る確率は低いため、中絶をする必要はありません。
- 検査方法・治療方法は
妊娠中に感染したかどうかは、妊婦さんの血液検査で調べる事ができます。
ウィルスに感染してから10日ほどすると血液検査で調べる事が出来るようになります。
もし、感染がわかった場合は、定期的にエコー検査をして、赤ちゃんに影響が出ないかどうかを調べていくことになります。
胎児貧血が進む場合は、妊婦さんのお腹から針を刺して、直接赤ちゃんに輸血する事で治療します。
- 妊娠中に気をつける事
りんご病のワクチンは存在しないため、感染予防を心がけるしかありません。
普通の風邪症状がりんご病や風疹である可能性もあるため、体調の悪い人からは距離を置く、むやみに人混みに出ないなどが大切です。
また、日頃から手洗い・うがい・マスクを心がけましょう。