現役産婦人科医の時間外診療

平和島レディースクリニック

診察室では説明しきれないことを中心に

妊娠と麻疹

今年の3月、台湾から沖縄に来ていた旅行客が麻疹と診断されたことをきっかけに、沖縄県内で麻疹の感染が拡大しています。

また、4月に入って、沖縄県を旅行していた愛知県の男性が、麻疹と診断された為、愛知県はもとより、日本国内での麻疹の感染拡大が予想されています。

麻疹とは

麻疹とは、麻疹ウイルスによって引き起こされる感染症で、空気感染、飛沫感染、接触感染と非常に強い感染力を持っています。

麻疹の症状は

典型的な経過としては、感染後10日ほどしてから症状が出現します。3日ほど発熱・咳・鼻水・結膜炎などの風邪症状が続いた後に、発疹が出現して、回復します。それだけで済めばいいのですが、肺炎や脳炎などの合併症をおこすことがあり、先進国でも1000人に1人が亡くなる、と言われています。

麻疹ワクチンについて

唯一の有効な予防法は、ワクチンの接種であり、2回接種することによって、発症のリスクを最小限に抑えることができます。
空気感染するため、手洗いやマスクでは予防できないと言われています。

妊娠中に麻疹にかかると

妊娠中に麻疹にかかると、流早産の確率が上がったり、肺炎のリスクが高くなると言われています。

1990年ころ、アメリカで麻疹が大流行した際、麻疹に感染した妊婦さんの3%近くが肺炎で亡くなりました。妊娠していない方の死亡率が1%以下であることを考えると、妊婦さんが麻疹に感染するリスクがよくわかると思います。

また、麻疹に感染した妊婦さんの3割近くが流産・早産となってしまいました。

予防策は

手洗いやマスクでは予防できません。ワクチンのみです。

妊娠してからはワクチンが打てないのですが、一緒に暮らしているご家族は打てますので、周囲の方がワクチンを打つことはとても大切です。また、できるだけ人ごみに出かけないことも大事です。

特に、現時点では沖縄県での流行が盛んであるため、連休中に沖縄県への旅行を考えている方は控えた方がいいでしょう。

もしも、感染したかも、と思った時は、いきなり病院を受診するのだけは避けましょう。麻疹に感染した状態で病院に行き、待合室で待っているだけで、周囲の患者さんに感染してしまうことがあります。まずは、疑わしい時には病院へ電話して、どのように受診すればいいか、確認して下さいね。