子宮がん検診で精密検査を受けた方へ
子宮頸がん検診で引っかかってしまい、精密検査を受けた方は、結果次第で半年後や3か月後のフォローになっているかと思います。
そこで、今回は「精密検査の結果」について説明したいと思います。
まず、精密検査の結果でよく出てくるのが
CIN1
CIN2
CIN3
という表記です。
正常と癌の間に
CIN
という状態が存在することになり、1が一番正常に近く、数字が大きくなるにつれて癌に近づく形になります。
CIN1は、日本語では
軽度異形成
と言います。
CIN1がCIN3に進んでしまう確率は1~2割ほどと言われており、特に30歳未満の女性では9割近くが自然に正常に戻る、と言われています。
そのため、CIN1の場合には、半年ごとにがん検診を受けましょう、という方針になります。
ただ、先ほども説明したように、CIN1は正常に戻る可能性が高いため、あまり長い期間、CIN1が続くようだと、改めて精密検査が必要になることもあります。
次に、CIN2についてです。
これは、日本語では
中等度異形成
と言います。
CIN2でも、30歳未満の女性や妊婦さんでは、自然に治ることも多いので、特に治療せずに経過を診ることになります。ただ、CIN1に比べれば、少し厳密に経過を診たいので、3~6カ月間隔で検査をすることになります。
ただし、こまめに受診するのが難しい方、強い希望がある方、1~2年経過を診ても治らないような方であれば、治療の適応になってきます。
また、HPVといって、子宮頸がんの原因になるウイルスのうち、リスクの高いウイルス=子宮頸がんの原因となる確率が高いものに感染している場合も、治療することがあります。
治療としては、子宮腟部といって、CIN2の組織がある部分を切り取る手術や、レーザー蒸散という「CIN2の部分をレーザーで焼く」治療法もあります。
特に、子宮腟部の組織を切り取る手術では、妊娠した時に流産や早産のリスクが高くなることがあるので、これから妊娠を考えている方には、レーザーで焼く「レーザー蒸散」が選択肢になってきます。
レーザー蒸散の手術を出来る病院は限られています。レーザー自体がとても高価な機械なので、都内でしたら
慶応義塾大学病院や
JR東京総合病院が有名です。
CIN1もCIN2も自然に治ることが多いとは言いましたが、一番怖いのは「大丈夫だと思った」と放置してしまうことです。
1年、2年と何も検査をせずに放置してしまって、気が付いた時には・・・というのは絶対避けたいことなので、しっかり忘れずに検査を受けるようにしてくださいね。