現役産婦人科医の時間外診療

平和島レディースクリニック

診察室では説明しきれないことを中心に

妊娠後期に胎動が減るのは正常なこと?

赤ちゃんが産まれる準備をし始めると、胎動が減ってくる、というのは聞いたことがあると思います。


でも、それって本当に正しいことなのでしょうか。




こちらの論文にデータがありました。


Establishing a reference value for the frequency of fetal movements using modified 'count to 10' method.


この論文は、700人近い日本人の妊婦さんが、一日の中で最も胎動を感じる時間帯において、10回の胎動を感じるのに要する時間を記録したものです。


その結果、22週から32週までの妊婦さんが、10回の胎動を感じるのに要した時間は平均して10分ほど。

32週の妊婦さんが最も短時間であり、40週にむけて徐々に時間が伸びていき、40週の妊婦さんでは、おおよそ15分ほどの時間がかかりました。

ほとんどの人は10回の胎動を感じるのに要する時間が、22週から36週では25分、37週から40週では35分でした。


簡単にまとめると、10回の胎動を感じるのに平均して15分ほど、ほとんどの人は30分前後で感じる、というものです。



確かに数字上はお産が近づいてくると多少は胎動が弱くなるのかもしれませんが、実際に怖いのは、その胎動の弱さが「お産の近さ」によるものではなく、「赤ちゃんの調子の悪さ」によるものだった場合です。


正直、そういった「赤ちゃんの調子の悪さ」からくる胎動の弱さ、というのは滅多にありません。


でも、お母さんが「何となく胎動が弱い」という直感が当たることがあるのも事実。


こればっかりは、その都度検査してみないと何とも言えません。



実際に病院に来てもらって検査をしても、全然問題ない、っていうことの方が多いです。

でも、診察してみたら、すでに赤ちゃんが亡くなっていて、「そういえば、昨日からなんか胎動が弱くて」と言われたこともあります。



なかなか自覚症状だけでは判断が難しいところなので、「お母さん」として何かいつもと違う感じがしたら、まずは相談してみてくださいね。