現役産婦人科医の時間外診療

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現役産婦人科医の時間外診療

現役産婦人科医が診察室では説明しきれないことをまとめてみます

卵巣が腫れていると言われた方へ 卵巣嚢腫・卵巣腫瘍

お腹が痛かったり、検診をきっかけに、卵巣が腫れていると言われた方は、その後の方針が、大きく二通りに分かれます。


一つは、まだ小さいので経過を診ましょう。

卵巣自体は3センチや4センチ程度なら簡単に腫れるので、2.3ヶ月したら、自然に縮んでいることも多いのです。

そのため、まずは様子を見るという方針を取ることも多いです。



もう一つは、手術をしましょう。

5センチ、6センチを超えてくると、自然に縮む可能性は低くなってきます。

また、それくらいの大きさになると、腫れている部分がクルッと捻れて、激痛を引き起こすことがあります。

捻じれて激痛が起きると、救急車で運ばれて緊急手術となることがほとんどです。



そのため、前もって手術をしましょうとオススメするのです。

ただ、卵巣の腫れ自体は症状がないことも多く、いきなり手術と言われて、寝耳に水という方も沢山いらっしゃいます。



そこで、今回は卵巣の腫れの中でも、

奇形腫

皮様嚢腫

デルモイド

と呼ばれるものについて説明します。



これらは呼び方が違うだけで、全て同じものです。

腫れている卵巣の中に、脂肪とか髪の毛とか歯が入ってたりする腫瘍です。


ブラックジャックという漫画に出てくる、ピノ子というキャラクターは、この腫瘍の中に入っていた臓器をつなぎ合わせて造られた女の子なんです。

と言って、ピノ子を例に出しても、あまり伝わらないことも多くなってきましたが、、、



それはさておき、この腫瘍は、飲み薬や注射では治せません。

手術をして取るしか治療法がないのです。

ですので、見つかった時点で手術をオススメすることも多いです。


手術の方法

今では、お腹を大きく開ける開腹手術より、小さい傷だけで手術できる、内視鏡手術が主体です。

お臍の高さより上にまで腫瘍が大きくなっていると、内視鏡の手術は少し難しくなってきますが、それより小さければ、まず大丈夫です。

ただし、手術の前の検査で、良性腫瘍ではなく、悪性が疑われる場合には、最初から開腹手術をすることもあります。


卵巣は取らないといけないの?

閉経間近の人であれば、腫れている方の卵巣ごと取ることが多いですが、若い方であれば出来るだけ腫れている部分だけを取って、正常な卵巣は残します。

ただ、あまり大きく腫れている場合は、正常な卵巣を残せないこともあります。


腫れている所を取れば終わりなの?

卵巣腫瘍というのは、いざ取ってみないと、本当に良性か悪性かの診断はつけられません。

腫れている部分を顕微鏡で見て初めて診断できるのです。

ただ、小さい腫瘍ならかなりの確率で良性と言えるでしょう。

良性腫瘍であれば、そこを取って終わりです。

再発することもあるので、定期的な経過観察は必要になります。





卵巣の腫れ、特に皮様嚢腫と呼ばれる物について説明しました。


実際には手術の前の検査結果次第で手術のやり方も変わってきますので、主治医の先生とよく相談してみてください。