平和島レディースクリニック

診察室では説明しきれないことを中心に

生理前の調子の悪さについて

生理が近づいてくると、気持ちの面や

身体の面で調子が悪くなり、生理がくると

自然と良くなっていくことはありませんか。


それは、


月経前症候群


の可能性があります。


具体的には、


イライラ

のぼせ

下腹部痛

腰痛

頭痛

乳房痛

落ち着かない

憂鬱


のような症状がよく見られます。



日本人女性の7割~8割もの方が、生理前に

なると何らかの調子の悪さを訴えると

言われています。


それほど、月経前症候群はメジャーな

ものなのです。



明確な原因は不明ですが、排卵を抑えると

症状が軽快するため、排卵後に出てくる


黄体ホルモン


というホルモンが原因ではないか、と推測

されています。


治療法としては、ピルや漢方薬

抗うつ薬精神安定剤などが有効なことが

多いです。



もちろん、症状が軽ければ、


生理前なのでそういうもの


と割り切ってもらってもいいのですが、

症状が比較的重くて、日常生活に支障を

きたすようであれば、一度婦人科を

受診してみてくださいね。



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平日10時から夜8時まで診察しています。
(水・金は夕方5時まで)

更年期症状と子宮摘出について

子宮筋腫や子宮腺筋症で子宮を取らないといけなくなった時に聞かれるのが

 

更年期症状は大丈夫ですか?

 

という質問です。

 

子宮を取ってしまうと生理が無くなるので更年期症状を心配されるんだと思います。

 

中には、子宮をとった友人が更年期症状で悩んでいるので、と相談されることもあります。

 

しかし、結論から言うと


子宮を取っても更年期症状は出ません


なぜなら、更年期に関わるホルモンは卵巣から出ており、子宮からは何のホルモンも出ていないからです。

 

もちろん、子宮がなければ生理は来ませんから、閉経したような状態にはなります。

 

それでも、卵巣は機能し続けるため、子宮を取ったことによる更年期症状というのは出ない訳です。

 

子宮を取ったことで更年期症状が出た、という人がいれば、一つの理由としては「たまたま更年期症状が出る年齢だった」ということ。

 

そしてもう一つは、子宮を取る喪失感が体の不調に繋がった可能性はあります。


しかし、医学的には子宮を取ることで更年期症状は現れないので、子宮を取ることと更年期症状の関係で悩まれている方は心配しないでくださいね。

 

妊婦健診の4Dエコーについて

当院では妊婦健診で4Dエコーをしています。

 

妊婦健診は、赤ちゃんが順調に育っているかどうか、何か問題が起きてないかどうかを調べるのが大事な目的です。

 

そのために2Dエコーを使って、赤ちゃんの体の中を見たり胎盤の様子を見たりします。

 

一方で4Dエコーは、赤ちゃんを立体的に写して、動いているのを確認したりして、

 

可愛い〜

 

って感動するための時間だったりします。

 

 

私自身、妊婦健診で赤ちゃんの様子を見るのが大好きで、いろんな勉強会・講習会に出てきました。

 

中でも、赤ちゃんの心臓の奇形は、万が一のことがあると生まれた直後から処置が必要になるため、かなり念入りに見る部分です。

 

そういった、「幸せな時間」の中でも、なかなか気が休まることのない診察をするのが妊婦健診なんですが、4Dエコーではただ純粋に赤ちゃんの立体的な映像を見ることができるので、とても楽しい時間です。

 

 

4Dエコーは、赤ちゃんの周りに羊水がたっぷりあれば綺麗に見えるので、早ければ14週くらいから様子が見えたりします。

 

そして、30週を超えてくると、赤ちゃん大きくなり、顔の前には羊水がなくて子宮の壁が迫ってたりするので、大きくなればなるほど、4Dエコーであまり見えなくなってきます。

 

それでも、何とか羊水の中に浮いている手や足を見つけて4Dの映像にするのですが、やはり早めの週数の方が赤ちゃんの体全体が立体的に見えて良いですよね。

 

 

一度は4Dエコーで赤ちゃんの立体的な映像を見るのも良いと思います。

 

 

 

ちなみに、当院では他院で妊婦健診中の方でも4Dエコーで見れますし、ご家族と一緒に来ていただいても大丈夫です。

 

エコー写真はお渡ししていますが、エコー画面を撮影したり録画してもらうのも大丈夫なので、ご都合があえばぜひ。

生理を移動したい時には

せっかく楽しみにしていた旅行や、

大事な試験など、どうしても生理が

ぶつかって欲しくない時、薬で

生理の時期を移動することができます。



中用量ピルを生理前から飲むと、

ピルを飲んでいる間は生理が来ません。



例えば、9月20日から25日まで旅行に

行くんだけど、生理がちょうど

9月20日ころから来そうだな、という時。


中用量ピルを9月13日から25日まで飲みます。


そうすると、9月の生理が28日ころから

来ることになります。


ピルを飲んでいる間は、生理が来ない

ように出来るのです。



逆に生理を早める方法もあります。


上の例でいうと、9月20日から25日まで

旅行で、9月20日から生理予定の場合。

8月20日から生理だとしたら、9月1日から

9月10日まで中用量ピルを飲みます。


そうすると、9月13日ころから生理が来て、

9月20日は生理が終わっている計算に

なります。



生理を遅くする方法と早める方法の二つが

ありますが、早める方法だと、時々うまく

いかないことがあるので、遅らせる方が

確実になります。



移動したい生理の1週間くらい前に

受診してもらえれば大丈夫なので、

生理を移動したい時には、受診して下さいね。

妊娠反応が陽性に出たら

先日、妊娠反応が陽性に出たからと言って、あまり早く受診しないで下さい、と言っている産婦人科医を見かけました。

 

週数が早い段階で超音波で診ても、まだ何もわからないから、というのが理由のようです。

 

ちょっと待ってください!!!

 

 

「週数が早い」のは受診して初めてわかることですよね。

 

確かに、最後の生理から1ヶ月しか経っていなければ、まだ妊娠4週なので、受診するには早過ぎます。

 

でも、産婦人科医の世界では常識なんですが、「最後の生理」が本当に生理だったかどうかわからないこともあるのです。

 

ただ単なる不正出血であったり、妊娠に伴う初期の出血を「最後の生理」と思ってしまうことは、それほど珍しくありません。

 

もしそうなると、「妊娠4週」ではなく、「妊娠8週」ということになってきます。

 

 

妊娠初期の診察が大事なのは、

 

異所性妊娠

 

一昔前で言う子宮外妊娠を出来るだけ早く見つけなければいけないからです。

 

 

異所性妊娠の多くは、子宮から出ている

 

卵管

 

という細い管に妊娠しています。

 

とても細い管なので、妊娠した赤ちゃんの袋がある程度大きくなると、そこが裂けてしまうのです。

 

赤ちゃんの袋の周りはとても血流が豊富なので、裂けた部分からの出血はとても多くなることがあります。

 

中には、お腹の中で大出血して命に関わることも・・・

 

そのため、産婦人科医は妊娠初期に

 

異所性妊娠

 

の可能性を徹底的に否定しておきたいのです。

 

子宮の中に赤ちゃんの袋が見えれば、ひとまず異所性妊娠の可能性は相当低くなります。

 

(内外同時妊娠と言って、子宮の中にも外にも妊娠している可能性がわずかばかり残るのですが・・・)

 

つまり、子宮の中に赤ちゃんの袋が見えない間は、誰にも状況がわからないのです。

 

ましてや、「最後の生理」から4週間しか経っていないから、「まだ妊娠4週なので診察しても何もわからない」なんて結論付けることは不可能なのです。

 

もちろん、結果的に「妊娠4週で、診察しても何もわからなかった」ということがほとんどです。

 

でも、子宮外妊娠を数多く経験している産婦人科医なら、

 

「受診するのが早すぎるんだよ」

 

とは思いません。

 

「ふぅ、ひとまず破裂の危機は無さそうだけど、まだ子宮の中に赤ちゃんの袋が見えないから油断は禁物だな」

 

と思うものです。

 

ですので、あまり早く受診しても仕方がないな、なんて決して思わず、妊娠反応が陽性に出た時点で受診するようにして下さいね。