手術をすることになった方へ 執刀医の探し方
卵巣が腫れていたり、子宮筋腫が見つかったり、婦人科の手術が必要になった方へ、執刀医の探し方について、思うところを書きたいと思います。
特に、内視鏡を使った腹腔鏡手術について取り上げたいと思います。
子宮筋腫や卵巣の腫れを取り出すためには、一昔前はお腹を大きく切って取り出すしかありませんでした。
しかし、内視鏡と言って、非常に細いカメラが発明されて以来、お腹を大きく切るのではなく、2㎝程度の傷を何か所かつけるだけで手術が出来るようになってきました。
お腹を何か所か2㎝程度切り、内視鏡というカメラを入れたり、操作のための鉗子という棒を入れたりして、内視鏡で映し出すモニターを見ながら、手術ができるのです。
そうして、子宮筋腫や卵巣の腫れを取った後、同じく2㎝程度の傷から体の外へ取り出して手術は終了します。
例えば2㎝以上ある子宮筋腫とかですと、お腹の中で細かく砕いたり、2㎝程度の傷から細かく刻みながら取り出したりと出来るので、多少大きな子宮筋腫でも取り出せます。
では、この内視鏡の手術は誰でもできるかというと、当然そのような簡単な手術ではありません。
モニターを見ながらの手術ですので、奥行きがよくわからなかったり、糸を結ぶにも鉗子という棒を使って上手く結ばないといけないので、相当のトレーニングが必要になってきます。
何年もトレーニングをして、技術が認められて初めて、
双子の赤ちゃん、一卵性なの?二卵性なの?
街中で双子のベビーカー見かけると、ついつい目で追っちゃいますよね。
それで、赤ちゃんの顔を見て、
あぁ、やっぱりソックリだー
一卵性なのかなぁ
なんて、勝手に想像しちゃうわけです。
外来で妊娠しましたって初診で来た患者さんを診察して、赤ちゃんの袋が2個見えた時は、思わずこちらも嬉しくなってしまいます。
医学的には、双子の妊娠は早産のリスクがあったり、いろいろ大変なんですが、それでもやっぱり双子ってワクワクしちゃいますよね。
自然に双子になる確率はおよそ1%と言われています。
そんな双子で、まず気になるのが一卵性なのか、二卵性なのかってことですよね。
上の図を見てください
産婦人科医が妊婦健診で判断しているのは、図の下側にある赤ちゃんのお部屋がいくつに分かれているか、という部分です。
極端な話、一卵性か二卵性かは重要ではなく、この
部屋がいくつに分かれているか
を超音波で見ることが全てです。
赤ちゃんの部屋が完全に2つにわかれているのが
二絨毛膜二羊膜
全く同じ部屋に入っているのが
一絨毛膜一羊膜
同じ部屋なんだけど、薄い壁で仕切られているのが
一絨毛膜二羊膜
と呼びます。
上の図の左二つの見え方であれば、確実に一卵性なのですが、一番右のように完全に部屋が2つにわかれている場合、一卵性のことも二卵性のこともあるのです。
一卵性の双子である確率がそもそも低いので、赤ちゃんの部屋が二つに分かれていれば二卵性の確率が高いのですが、100%ではない、ということですね。
そのため、病院では
「赤ちゃんのお部屋が二つありますよ」
と言われただけで、
「あ、うちの双子は二卵性なんだ」
と思って、子供たちが大きくなっても
「二卵性なのにソックリね、やっぱり双子よね」
と言われている場合もあると思います、本当は一卵性なのに。
このように、一卵性か二卵性なのかは、意外と判断が難しい、というお話しでした。
卵巣が腫れていると言われた方へ 卵巣嚢腫・卵巣腫瘍
お腹が痛みや検診をきっかけに、卵巣が腫れていると言われた方は、その後の方針が、大きく二通りに分かれます。
一つ目は、まだ小さいので経過を診ましょう、という方針。
卵巣自体は3センチ、4センチ程度なら簡単に腫れるので、2.3ヶ月したら、自然に縮んでいることも多いのです。
そのため、まずは様子を見るという方針を取ることになります。
もう一つは、手術をしましょうという方針。
5センチ、6センチを超えてくると、自然に縮む可能性は低くなってきます。
また、それくらいの大きさになると、腫れている部分がクルッと捻れて、激痛を引き起こすことがあります。
捻じれて激痛が起きると、救急車で運ばれて緊急手術となることがほとんどです。
そのため、前もって手術をしましょうとオススメするのです。
ただ、卵巣の腫れ自体は症状がないことも多く、いきなり手術と言われて、寝耳に水という方も沢山いらっしゃいます。
そこで、今回は卵巣の腫れの中でも、
奇形腫
皮様嚢腫
デルモイド
と呼ばれるものについて説明します。
これらは呼び方が違うだけで、全て同じものです。
腫れている卵巣の中に、脂肪とか髪の毛とか歯が入ってたりする腫瘍です。
ブラックジャックという漫画に出てくる、ピノ子というキャラクターは、この腫瘍の中に入っていた臓器をつなぎ合わせて造られた女の子なんです。
と言って、ピノ子を例に出しても、あまり伝わらないことも多くなってきましたが、、、
それはさておき、この腫瘍は、飲み薬や注射では治せません。
手術をして取るしか治療法がないのです。
ですので、見つかった時点で手術をオススメすることも多いです。
手術の方法
今では、お腹を大きく開ける開腹手術より、小さい傷だけで手術できる、内視鏡手術が主流です。
お臍の高さより上にまで腫瘍が大きくなっていると、内視鏡の手術は少し難しくなってきますが、それより小さければ、まず大丈夫です。
ただし、手術の前の検査で、良性腫瘍ではなく、悪性が疑われる場合には、最初から開腹手術をすることもあります。
卵巣は取らないといけないの?
閉経間近の人であれば、腫れている方の卵巣ごと取ることが多いですが、若い方であれば出来るだけ腫れている部分だけを取って、正常な卵巣は残します。
ただ、あまり大きく腫れている場合は、正常な卵巣を残せないこともあります。
腫れている所を取れば終わりなの?
卵巣腫瘍というのは、いざ取ってみないと、本当に良性か悪性かの診断はつけられません。
腫れている部分を顕微鏡で見て初めて診断できるのです。
ただ、小さい腫瘍ならかなりの確率で良性と言えるでしょう。
良性腫瘍であれば、そこを取って終わりです。
再発することもあるので、定期的な経過観察は必要になります。
卵巣の腫れ、特に皮様嚢腫と呼ばれる物について説明しました。
実際には手術の前の検査結果次第で手術のやり方も変わってきますので、主治医の先生とよく相談してみてください。
おすすめの産婦人科の見つけ方
何でも診れる総合病院なら問題ないんですが、時々他のクリニックにお手伝いに行くと、そこのクリニックでは対応できない患者さんが、たまにいらっしゃいます。
そういう時には、対応できる病院を紹介するのですが、患者さんから
「おススメの産婦人科はどこですか?」
と聞かれることが非常に多いのです。
そして、この答えがとても難しい。
自分が一緒に働いたことがある先生であれば、この先生がおススメと言えるのですが、一度も働いたことがない先生だと、正直おススメできるかどうか、全くわからないのです。
そこで、みなさんが受診する病院を探すときに、どこに注意してみればいいか説明したいと思います。
まずは、病院のHPにある医師のプロフィールを確認してください。
産婦人科で言えば、
○○学会所属
という記載には騙されないでください。
いろいろな学会は、数万円の年会費や入会費を払えば、だれでも入れます。
所属学会が記載されていても、その分野での経験が豊富とは限りません。
手術をする病院を探すときにも、この専門医の確認は大切です。
腹腔鏡手術という内視鏡を使った手術をしてくれる病院を探す時、腹腔鏡専門医の資格を持っている先生であれば、まず間違いはありません。
この腹腔鏡専門医の資格を取るためには、論文を書くことはもとより、技術審査として実際に手術をしている様子を録画したビデオ審査もあるのです。
そのため、腹腔鏡専門医の資格を持っている先生は、技術的にしっかり保証されていると言えます。
このように、その先生のプロフィールを見るだけでも、情報は得られますので、参考にしてみてください。
あとは、
相性の問題
です。
いくら腹腔鏡専門医の資格を持っていて技術的に優れていても、聞いたことにしっかり答えてくれないような先生だと信頼関係は築けないですよね。
こればっかりは、人間と人間の関係ですから、合う合わないがあります。
皆さんが、ご自身の考えに合った先生に出会えますように。
IQ246 織田裕二よ・・・
織田裕二と石黒賢の組み合わせと言えば!!!
そう!!
振り返れば奴がいる
私が医師を目指すきっかけとなったドラマと言っても過言ではありません。
簡単に説明すると、
性格が悪くて天才的な腕を持つ外科医の織田裕二
正義感あふれるけど、少しだけ腕が劣る石黒賢
この二人が同じ病院内で対立しながらも、お互いを信頼していくという、今思い出しても胸が熱くなるような最高のドラマなんです。
まだ見たことない方は、ぜひとも見てください。
本当に本当におススメです。
ちなみに、私が好きなシーンは、石黒賢が織田裕二の勤める病院に初めて来た日に、急患が担ぎ込まれ、緊急手術が必要になる場面です。
夜間であったため、他に外科医がいないか石黒賢が探し回り、織田裕二が休憩している部屋にたどりつくのですが、織田裕二は石黒賢に対して、
「司馬先生なら帰ったよ」
(司馬先生とは織田裕二の役名です)
と言ってのけるところです。
天才的な腕があるにもかかわらず、性格が悪いというか、とても冷めているので、もう勤務時間が終わっている織田裕二は、患者を診ないと宣言するシーン、かっこいい!!!
まぁ、実際にそんなこと出来るはずないんですけど、それをサラッとやってのけるのが、まぁかっこいいんですよ!!!
あとは、何といってもラストシーンですかね。
ここからはネタバレなので、もしこれから見ようと思っている方は、読まないでくださいね。
何だかんだと対立する、織田裕二と石黒賢ですが、お互いに少しずつ信頼関係が出来上がります。
そんな中、石黒賢の体に末期の癌が見つかります・・・
石黒賢もそれを知ってしまい、末期の癌なので諦めるんですが、周りから説得されて手術を決断します。
そして、その執刀医が織田裕二。
始めは石黒賢も別の先生に執刀をお願いしようとするのですが、どう考えても末期癌の難しい手術を出来るのは織田裕二だけ・・・
そこで、織田裕二は言います。
「お前はこのままだと死ぬ。ただ、俺が手術することで成功確率を10%に引き上げてやる。お前は20%まで上げろ」と・・・
そして、執刀の結果、、、
手術は無事に成功します。
しかし、疲れ果てた織田裕二が帰路に就いた瞬間、石黒賢の容態が急変し、心停止。
駆け付けた織田裕二が
「戻ってこい!!!」と心臓マッサージを続けますが、それもむなしく・・・
今思い出しても胸が熱くなりますね。
最初は患者に冷徹だった織田裕二が、最終的には石黒賢という患者に対して、感情をあらわにするというのは、子供ながらに感動したのを覚えています。
その織田裕二と石黒賢が
IQ246で
共演する!!!
これは見ない手はないでしょう!!
と言っても、当直や手術で忙しくて見ることができなかったので、やっと先ほど見ました。
織田裕二のしゃべり方、なんだ???
キャラ設定がひどすぎる・・・
せっかく天才という役柄なのに、全然クールじゃない。
しゃべり方が気持ち悪い
ストーリーは面白いと思うので、織田裕二のしゃべり方だけ何とかして下さい・・・