おすすめの産婦人科の見つけ方
何でも診れる総合病院なら問題ないんですが、時々他のクリニックにお手伝いに行くと、そこのクリニックでは対応できない患者さんが、たまにいらっしゃいます。
そういう時には、対応できる病院を紹介するのですが、患者さんから
「おススメの産婦人科はどこですか?」
と聞かれることが非常に多いのです。
そして、この答えがとても難しい。
自分が一緒に働いたことがある先生であれば、この先生がおススメと言えるのですが、一度も働いたことがない先生だと、正直おススメできるかどうか、全くわからないのです。
そこで、みなさんが受診する病院を探すときに、どこに注意してみればいいか説明したいと思います。
まずは、病院のHPにある医師のプロフィールを確認してください。
産婦人科で言えば、
○○学会所属
という記載には騙されないでください。
いろいろな学会は、数万円の年会費や入会費を払えば、だれでも入れます。
所属学会が記載されていても、その分野での経験が豊富とは限りません。
手術をする病院を探すときにも、この専門医の確認は大切です。
腹腔鏡手術という内視鏡を使った手術をしてくれる病院を探す時、腹腔鏡専門医の資格を持っている先生であれば、まず間違いはありません。
この腹腔鏡専門医の資格を取るためには、論文を書くことはもとより、技術審査として実際に手術をしている様子を録画したビデオ審査もあるのです。
そのため、腹腔鏡専門医の資格を持っている先生は、技術的にしっかり保証されていると言えます。
このように、その先生のプロフィールを見るだけでも、情報は得られますので、参考にしてみてください。
あとは、
相性の問題
です。
いくら腹腔鏡専門医の資格を持っていて技術的に優れていても、聞いたことにしっかり答えてくれないような先生だと信頼関係は築けないですよね。
こればっかりは、人間と人間の関係ですから、合う合わないがあります。
皆さんが、ご自身の考えに合った先生に出会えますように。
IQ246 織田裕二よ・・・
織田裕二と石黒賢の組み合わせと言えば!!!
そう!!
振り返れば奴がいる
私が医師を目指すきっかけとなったドラマと言っても過言ではありません。
簡単に説明すると、
性格が悪くて天才的な腕を持つ外科医の織田裕二
正義感あふれるけど、少しだけ腕が劣る石黒賢
この二人が同じ病院内で対立しながらも、お互いを信頼していくという、今思い出しても胸が熱くなるような最高のドラマなんです。
まだ見たことない方は、ぜひとも見てください。
本当に本当におススメです。
ちなみに、私が好きなシーンは、石黒賢が織田裕二の勤める病院に初めて来た日に、急患が担ぎ込まれ、緊急手術が必要になる場面です。
夜間であったため、他に外科医がいないか石黒賢が探し回り、織田裕二が休憩している部屋にたどりつくのですが、織田裕二は石黒賢に対して、
「司馬先生なら帰ったよ」
(司馬先生とは織田裕二の役名です)
と言ってのけるところです。
天才的な腕があるにもかかわらず、性格が悪いというか、とても冷めているので、もう勤務時間が終わっている織田裕二は、患者を診ないと宣言するシーン、かっこいい!!!
まぁ、実際にそんなこと出来るはずないんですけど、それをサラッとやってのけるのが、まぁかっこいいんですよ!!!
あとは、何といってもラストシーンですかね。
ここからはネタバレなので、もしこれから見ようと思っている方は、読まないでくださいね。
何だかんだと対立する、織田裕二と石黒賢ですが、お互いに少しずつ信頼関係が出来上がります。
そんな中、石黒賢の体に末期の癌が見つかります・・・
石黒賢もそれを知ってしまい、末期の癌なので諦めるんですが、周りから説得されて手術を決断します。
そして、その執刀医が織田裕二。
始めは石黒賢も別の先生に執刀をお願いしようとするのですが、どう考えても末期癌の難しい手術を出来るのは織田裕二だけ・・・
そこで、織田裕二は言います。
「お前はこのままだと死ぬ。ただ、俺が手術することで成功確率を10%に引き上げてやる。お前は20%まで上げろ」と・・・
そして、執刀の結果、、、
手術は無事に成功します。
しかし、疲れ果てた織田裕二が帰路に就いた瞬間、石黒賢の容態が急変し、心停止。
駆け付けた織田裕二が
「戻ってこい!!!」と心臓マッサージを続けますが、それもむなしく・・・
今思い出しても胸が熱くなりますね。
最初は患者に冷徹だった織田裕二が、最終的には石黒賢という患者に対して、感情をあらわにするというのは、子供ながらに感動したのを覚えています。
その織田裕二と石黒賢が
IQ246で
共演する!!!
これは見ない手はないでしょう!!
と言っても、当直や手術で忙しくて見ることができなかったので、やっと先ほど見ました。
織田裕二のしゃべり方、なんだ???
キャラ設定がひどすぎる・・・
せっかく天才という役柄なのに、全然クールじゃない。
しゃべり方が気持ち悪い
ストーリーは面白いと思うので、織田裕二のしゃべり方だけ何とかして下さい・・・
長時間労働と自殺について
電通で長時間労働が原因と思われる自殺をした女性のことが話題になっています。
過酷な労働環境だった、とのこと。
ツイッターでの追い込まれている様子も読み取れて、心が痛みます。
そういう時に必ず出てくるのが、
自分はもっと頑張ってる
若いころはもっと頑張ったものだ
という苦労自慢。
でも、単純に労働時間の長さだけでは測れない部分があると思うのです。
例えば、ゲームをするだけでお金がもらえる職業があれば、ゲーム好きな人は寝る間も惜しんでゲームをするでしょう。
もし、読書をするだけでお金を稼げるのであれば、読書好きな人は一日中読書をしているでしょう。
つまり、仕事の時間の長さだけではなく、その仕事内容がどれだけ精神的にきついか、ということが大事なんだと思うのです。
そう考えると、単純に
自分の方が長時間働いている
なんて自慢は何の意味もないことがわかります。
また、自殺するくらいなら仕事を辞めればよかったのに、という言葉も聞きます。
これもまた本人にとっては意味のない言葉です。
私も仕事の関係で、かなり精神的に参ったことがあります。
振り返ってみれば、仕事を辞めれば済んだ話です。
でも、当時の私には「仕事を辞める」なんて選択肢は思い浮かばないのです。
頭の中が、その悩みでいっぱいになるのです。
幸い、当時は仕事以外に集中できる趣味があったので、気分転換ができました。
そのおかげで、自殺という選択肢は頭には浮かびませんでした。
でも、もしその趣味がなかったら、と思うと・・・
人間の頭の中って本当に難しいです。
とても複雑なことが考えられるように見えて、実は単純で、ちょっとしたことで壊れてしまいます。
自分一人でそれを解決するのは、とても難しい
周りの助けが必要なんです
人は一人では生きていけいない、というのは深い言葉だなと思います。
どうか、このブログを読んでいる方の中で、頭の中が何かで一杯になって苦しんでいる方がいましたら、少しでもどこかに吐き出してください。
それをどこかの誰かが受け止めてくれるかもしれません。
それだけで、頭の中に少しでも隙間がうまれれば、また何かが変わりますから・・・
矢部美穂さんの子宮筋腫の手術予定について
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161020-00000005-dal-ent
矢部のブログによると、大きい筋腫は6センチ。小さい筋腫も8~10個ある。
腹腔鏡手術を行うため大きい筋腫を縮める注射を半年続けてきたが2センチしか縮まらず、全開腹手術になるという。
とのこと。
6センチの筋腫や、それ以下の小さい筋腫を取るために開腹しなくても、、、と思ってしまいました。
大きさ的には、それほど大きくないので、内視鏡手術で十分取れると思います。
おそらく、小さい筋腫がたくさんあって、それを全部取りきるには内視鏡より開腹で、という方針になったのでしょう。
子宮筋腫は見た目でわからないくらい小さいものも、直接手で触ることで見つけることができるので、小さい筋腫がたくさんある場合には、開腹手術のほうが選ばれることもあります。
ただ、開腹手術で取りきったと思っても、また再発することがあるのが筋腫の厄介なところ。
そう考えると、開腹して全てを取りきることに執着する意味があるのか、微妙になってきます。
もちろん、ご本人ができるだけ全部取り切りたいって強く思っていれば、開腹手術も選択肢にはなりますが。
内視鏡手術だとモニターに映される映像越しでしか、筋腫の存在を確認できないので、本当に小さいものは残してしまうことになるので、本人が今回の手術でどこまで取り切りたいと思うか次第でしょうね。
ちなみに、内視鏡手術だと傷は1-2センチの大きさのものが4箇所くらいで済みますので、開腹手術より術後の痛みは楽でしょう。
それだけ小さい傷から子宮筋腫を取り出す工夫も、いろいろ考えられているので、内視鏡手術を諦めなくてもいいのになぁと思いました。
最終的には主治医の先生とご本人が納得していればいいんですが、、、
ピルを簡単に処方されていませんか
外来をしていると、本当によく言われます。
「前の病院では全然説明してくれなかった」と
私も外来が忙しいのは理解しています。クリニックで、5分に一人は患者さんを診ないといけない外来をすることもあります。
でも、薬を処方する以上は、ちゃんと説明しないとダメですよね。
ずっとピルを飲んでいる人であれば、1分もかからずに診察が終わります。
でも、短く終わった診察の分は、初めてピルを飲む人に説明する時間に使わないとダメ。
別の病院でピルを処方されている人に血栓症の副作用を説明をすると、初めて聞きました、と言われることも。
一体、ピルを処方している医者は何を説明しているのでしょうか。
「ピルください」
「はいどうぞ」
で終わらせているのでは?
そういう医者は、ピルなんて稼ぎの種としか思っていないのでしょう。
そして、血栓症となった患者さんを診たことがないのでしょう。
産婦人科医として「まともな」働き方をしていれば、血栓症の患者さんを診たことはあるはず
そして、患者さんがどれだけ大変になるかもわかっているはず。
だとしたら、必然的に血栓症に関しては説明するはずなんです。
もし、あなたがピルを処方されているクリニックで血栓症の副作用を聞いたこともなければ、クリニックを変えることをお勧めします。
なぜ、今回このようなキツイ言い方をしているかというと・・・
下腹部痛で外来に来た28歳の患者さんがいました。
問診票をチェックしてみると、過去の病気の欄に「脳梗塞」と書いてありました。
この年齢にして、脳梗塞になったことがあるって珍しいな、と。
そこで、よくよく確認すると、ピルを飲んでいる、とのこと。
そして今も!!!
すぐに飲むのを止めてください!と言いました。
脳梗塞のように血栓症になったことがある人は、ピルは絶対飲んじゃダメなんです。
でも続けて処方されていた・・・
きっと、副作用のこともろくに知らずに、お金の為だけにピルを処方している開業医なんでしょう。
本当に腹が立ちました。
たまに聞くんです。
婦人科って受診するのがハードル高いから、内科でもピル処方できたほうがいいよねって。
言いたいことはわかります。でも、処方するなら責任をもって処方してください。
患者に必要な情報を伝えることができないなら、その薬を処方する資格はないと思います。
血栓症なんて何千人とか何万人に一人に確率です。
滅多におきません。
でも、その滅多におきないことを考えるのがプロとしての仕事です。
滅多にないから気にしなくてもいい、なんて言っていいのは素人だけです。