ピルを飲んでるのに、変な出血が出ます
ピルの副作用の大きな一つとして
不正出血
があります。
ピルを飲み始めた周期で比較すると
1周期目が35%
2周期目が25%
3周期目は20%
6周期目には13%
と、内服を続けることで、不正出血の確率は減らすことができます。
ただし、長期間出血が続く場合には、悪いもの、すなわち癌が無いかどうかを調べる必要があります。
というのも、ピルを長期間内服することで、子宮頸癌のリスクが上昇する、という論文があるからです。
癌の可能性が否定できれば、出血していてもピルは続けてもらっても大丈夫です。
以前、ピルを簡単に処方して血栓症の説明をしない酷い病院について書きましたが、同様にピル内服中の不正出血に対して、しっかり癌のリスクを説明しているクリニックでピルは処方してもらってくださいね。
新しく彼氏ができたら、性病が心配!!
新しく彼氏ができたり、彼氏が性病っぽかったりすると、自分も性病じゃないかと不安になりますよね。
実際、性行経験のある女子高校生の1割近くがクラミジアに感染したことがある、というデータもあるくらい、クラミジアはとても身近な性病になってしまいました。
では、性病が心配、となった時に、どのような検査を受ければいいのでしょうか。
クラミジア、淋菌、HIV、梅毒といった性病がメジャーな性病検査になってきます。
まずは、
クラミジア
について。
クラミジアに感染しても症状が出ないことが多いです。
そのため、心配であれば調べるしかないでしょう。
同じく、
淋病
も女性は症状が出ないことが多いので、クラミジアとセットで調べることが多いです。
これらの病気に関して言えば、オーラルセックスの広がりと共に、咽頭にクラミジアや淋菌が感染していることも増えたので、咽頭の検査も合わせてした方がいいでしょう。
HIV
性病に感染したかも、と心配になって、一番不安になるのがHIVではないでしょうか。
感染初期には、
発熱
喉の痛み
だるさ
筋肉痛
のようなインフルエンザに似た症状がでることがあります。
その後、何も症状が出ない時期が5〜10年続いてから、エイズが発症します。
今ではHIVの治療薬も進歩しており、早く見つけて、早く治療すれば、すぐに亡くなるような病気ではなくなってきました。
治療が上手くいけば、HIVに感染していても、感染していない人と同じくらい生きられるようになってきたのです。
ただし、あくまで早期発見・早期治療ができたら、という仮定の話です。
ですので、HIVは早期発見のために、検査を積極的に受けてください。
梅毒
約3割の男性で症状が出ないのですが、女性では6割近くが無症状です。
そのため、こちらも積極的に検査を受けた方がいいでしょう。
以上のように、性病に関しては、全く症状が出ないものも多いため、心配なことがあれば、積極的に検査を受ける、という習慣をもちましょう。
妊娠できるか調べたい!!!不妊症じゃないかな・・・
特別、避妊をしっかりしてるわけでもないのに、なかなか妊娠しない方がいます。
多くの場合は、たまたまタイミングが合ってないだけなのですが、やはり何か原因がないか気になると思います。
そこで、不妊症かも、と思った時に、まず調べる検査について、今回は説明したいと思います。
基礎体温測定
基礎体温計という特別な体温計を購入してもらって、毎朝体温を測り、グラフにします。
一般的な体温計より細かい温度まで測れないといけないので、少しだけ特殊な体温計になっています。
毎日体温を測ってグラフにするのが面倒だという方は測るだけでiPhoneやアンドロイドに体温を自動転送して、勝手にグラフにしてくれる優れものもあります。
多少、体温がガタガタしたり、1日くらい計測し忘れたりしても大丈夫です。
完成した体温グラフが、大まかに低温と高温の二つに分かれているかどうか、高温が10日以上、安定して続いてるかどうかをチェックします。
超音波検査
子宮筋腫や卵巣の腫れがないか確認します。
また、卵巣の中でうまく排卵に向けて卵胞が育っているかどうかもチェックできます。
卵胞というのは、生理の後に徐々に大きくなっていき、だいたい2㎝ほどになると破裂して、中にある卵子が外に出て、妊娠の備えます。
ホルモン検査
卵巣から出るホルモンや、卵巣を刺激するために頭から出るホルモンなどを測定します。
生理初日から数えて3〜7日目に採血することで、卵巣を刺激するホルモンがしっかり出ているかどうかをチェックします。
また、体温が高くなる高温期の真ん中あたりで採血して、高温を維持するためのホルモンが十分出ているかもチェックします。
クラミジア検査
採血でクラミジア抗体と言うのを調べます。
いわゆる性病検査で調べることが多いのは、子宮そのものにクラミジアが感染しているかを調べる事が多いです。
しかし、妊娠できるかどうかで大事なのは、子宮そのものより、卵管のあたりまでクラミジアが感染しているかどうか、ということです。
卵管が詰まっていると、妊娠しづらい原因になるからです。
子宮そのものにクラミジアが見つからなくても、卵管の方にはクラミジアがいる可能性を考えると、子宮そのものだけをチェックするのは、やや不十分。
そこで、このクラミジア抗体というのを採血で調べます。
クラミジア抗体というのは、クラミジアそのものに抵抗する成分。
一度でもクラミジアが体内に入ると、抗体というのができるため、過去の感染を調べることもできます。
感染初期に増えるタイプの抗体や、一度でも感染するとずっと存在し続ける抗体もあるので、それらを調べて、治療の必要があるかどうかを判断します。
卵管通過検査
卵管が通っているかどうかを調べる検査です。
精液検査
意外と見落とされがちなのが、この精液検査。
なかなか妊娠できない不妊症の原因のうち、女性に原因がある確率と、男性に原因がある確率は、ほぼ同じと言われています。
不妊症というと女性中心で治療するイメージもあるかと思いますが、男性にも原因があることは多く、2人で治療していく気持ちがなければ、うまくいきません。
精液検査をして、精子の数や、動いている精子の割合を調べます。
以上のような検査が
妊娠できるかどうか
を調べたい方には受けてもらう検査になります。
基礎体温は受診しなくてもできる検査ですし、クラミジアに関しては早期発見、早期治療が鍵になります。
ぜひ一度はチェックしてみてくださいね。
手術をすることになった方へ 執刀医の探し方
卵巣が腫れていたり、子宮筋腫が見つかったり、婦人科の手術が必要になった方へ、執刀医の探し方について、思うところを書きたいと思います。
特に、内視鏡を使った腹腔鏡手術について取り上げたいと思います。
子宮筋腫や卵巣の腫れを取り出すためには、一昔前はお腹を大きく切って取り出すしかありませんでした。
しかし、内視鏡と言って、非常に細いカメラが発明されて以来、お腹を大きく切るのではなく、2㎝程度の傷を何か所かつけるだけで手術が出来るようになってきました。
お腹を何か所か2㎝程度切り、内視鏡というカメラを入れたり、操作のための鉗子という棒を入れたりして、内視鏡で映し出すモニターを見ながら、手術ができるのです。
そうして、子宮筋腫や卵巣の腫れを取った後、同じく2㎝程度の傷から体の外へ取り出して手術は終了します。
例えば2㎝以上ある子宮筋腫とかですと、お腹の中で細かく砕いたり、2㎝程度の傷から細かく刻みながら取り出したりと出来るので、多少大きな子宮筋腫でも取り出せます。
では、この内視鏡の手術は誰でもできるかというと、当然そのような簡単な手術ではありません。
モニターを見ながらの手術ですので、奥行きがよくわからなかったり、糸を結ぶにも鉗子という棒を使って上手く結ばないといけないので、相当のトレーニングが必要になってきます。
何年もトレーニングをして、技術が認められて初めて、
双子の赤ちゃん、一卵性なの?二卵性なの?
街中で双子のベビーカー見かけると、ついつい目で追っちゃいますよね。
それで、赤ちゃんの顔を見て、
あぁ、やっぱりソックリだー
一卵性なのかなぁ
なんて、勝手に想像しちゃうわけです。
外来で妊娠しましたって初診で来た患者さんを診察して、赤ちゃんの袋が2個見えた時は、思わずこちらも嬉しくなってしまいます。
医学的には、双子の妊娠は早産のリスクがあったり、いろいろ大変なんですが、それでもやっぱり双子ってワクワクしちゃいますよね。
自然に双子になる確率はおよそ1%と言われています。
そんな双子で、まず気になるのが一卵性なのか、二卵性なのかってことですよね。
上の図を見てください
産婦人科医が妊婦健診で判断しているのは、図の下側にある赤ちゃんのお部屋がいくつに分かれているか、という部分です。
極端な話、一卵性か二卵性かは重要ではなく、この
部屋がいくつに分かれているか
を超音波で見ることが全てです。
赤ちゃんの部屋が完全に2つにわかれているのが
二絨毛膜二羊膜
全く同じ部屋に入っているのが
一絨毛膜一羊膜
同じ部屋なんだけど、薄い壁で仕切られているのが
一絨毛膜二羊膜
と呼びます。
上の図の左二つの見え方であれば、確実に一卵性なのですが、一番右のように完全に部屋が2つにわかれている場合、一卵性のことも二卵性のこともあるのです。
一卵性の双子である確率がそもそも低いので、赤ちゃんの部屋が二つに分かれていれば二卵性の確率が高いのですが、100%ではない、ということですね。
そのため、病院では
「赤ちゃんのお部屋が二つありますよ」
と言われただけで、
「あ、うちの双子は二卵性なんだ」
と思って、子供たちが大きくなっても
「二卵性なのにソックリね、やっぱり双子よね」
と言われている場合もあると思います、本当は一卵性なのに。
このように、一卵性か二卵性なのかは、意外と判断が難しい、というお話しでした。