コンジローマっていうイボができました
陰部に出来物ができた、という患者さんが時々いらっしゃいます。
毛嚢炎という、毛穴にバイ菌が
入ったものだったり、粉瘤といって
皮脂が袋状にたまるものの事が多いの
ですが、たまに
コンジローマ
というイボができる方がいます。
今回は、このコンジローマについて説明
したいと思います。
コンジローマの原因
HPV(ヒトパピローマウイルス)というウイルスに感染することで発症します。
HPVにはどうやって感染するの?
主に性行為(セックス、アナルセックス、オーラルセックス)によって感染しますが、乳幼児や性行為のない高齢者に
みられることもあります。
直接接触することで感染するので、入浴中に親のコンジローマの部分に接触して
子供にうつってしまうことも稀にあります。
このコンジローマ、だれにうつされたの?
HPVに感染してから、実際にイボができるまでは平均して3カ月かかりますが、3週間で出来る人もいれば8カ月経ってから出る人もいて、いつ感染したのかわからないことがほとんどであり、その期間に複数の人と性行為をしていれば、犯人を見つけることは困難です。
どんな症状があるの?
まれに、痒みを訴えて受診される方はいますが、基本的にコンジローマは症状が何もないことが多いです。
どうやって治療するの?
塗り薬による治療と、外科的な治療があります。
塗り薬はべセルナクリームという薬を使うことが多いです。
これは、やや強めのお薬で、正常な皮膚に付くと赤くなってしまうため、できるだけコンジローマだけに塗るようにすることと、毎日使うのではなく2日に1度の使用にとどめる、しっかり洗い流すなど、注意点がいくつかあります。
こちらを最低でも2週間、最長だと16週間は使うことになりますが、あまり治療が長引くようだと、外科的治療をおススメします。
外科的な治療としては、液体窒素で凍らせたり、電気メスで焼いたり、レーザーで焼いたりと、病院によって様々な方法があります。
ちゃんと治療したら再発はしないの?
塗り薬や外科的な治療でイボがなくなったとしても、3カ月以内に約3割の人が再発します。
半年ほどしてから再発する方もいますが、1年間再発しなければ完治と言えます。
コンジローマ自体、早めに治療すればするほど、治療期間が短くて済みますし、必ず治せる病気です。
自然治癒することもありますが、あまり数が多くなってから治療しようとしても大変ですので、心配なイボがあれば、早めに受診してくださいね。
ミレーナを使っている人の感想をまとめてみました。
前回、ミレーナの感想をまとめてから
半年くらい経ったので、またミレーナ
を使っている人の感想を集めて
みました。
それでは、何名かミレーナを使われて
いる方のブログを紹介いたします。
こちらは、もともとピルを服用されて
いた小児科Dr.ですが、40歳を超えた
ことをきっかけに、ミレーナに変更された、
とのこと。
ピルは血栓症のリスクがありますので、
どこかでミレーナに変更するのは
一つの選択肢としてありですね。
こちらは、生理痛や生理の量が多いことに
対して、ミレーナを使われている方です。
ミレーナを入れる際に、強い痛みが一瞬
あったようですが、入れた後は、生理痛は
なくなり、出血も激減して大満足のご様子。
こちらの方は、生理の量が多くて
ミレーナを使われている様子。
入れた後3日目までの報告ですが、違和感と
出血が少し続いているようですね。
入れる時の痛みと、そのあとの違和感や、
少量の出血という副作用はあるものの、
生理痛や生理の量が減ることによる
メリットはかなり大きいので、
ミレーナ、おススメです。
卵管が腫れてるって言われたことありますか?
以前、卵巣が腫れていることについて説明したことがありました。
今回は、卵巣ではなく、卵管が腫れている場合について説明したいと思います。
まず、基本的な説明になりますが、卵巣というのは子宮の真横についている親指くらいの大きさの臓器で、いわゆる女性ホルモンを出している場所になります。
そして、その真横についているのが卵管という管。妊娠する際に、卵子と精子が出会う大切な通り道になるんですね。
この卵管という管が腫れてしまうことがあるんです。原因としては、以前お話ししたクラミジアであったり、子宮内膜症であったり、そういったことが原因で癒着してしまって、卵管の中に水が溜まってしまうことがあります。
多少卵管に水が溜まる程度であれば、たいして問題にはならないのですが、ものすごく腫れてしまった場合には痛みが出る場合もありますし、そこにバイ菌が入ってしまった時には、熱が出たりお腹が痛くなったりします。
そして、一番嫌なのが不妊症の原因になったり流産の原因になったりするのです。
不妊症の原因になってしまうのは以前説明したのですが、せっかく妊娠できても、卵管に水が溜まっているせいで流産してしまうなんて辛いですよね。
理由としては、卵管の中にたまった水が子宮の中に逆流してしまって、せっかく受精した卵が子宮の中に着床するのを邪魔してしまう、っていう説があったりします。
実際に、水が溜まっている卵管を切除することで、卵管に水が溜まっていない人と同じくらいの妊娠率に改善したという報告もあり、もし妊娠前に卵管に水が溜まっていることが判明していれば、外科的に卵管を取っちゃうことも考えた方がいいと思われます。
卵管に水が溜まっているかどうかは、内診台に上がってもらって超音波をすればわかることが多いので、積極的に妊娠を考えている方は一度検査を受けてみてくださいね。
子宮外妊娠ってどうやって治療するの?
先日から何度か子宮外妊娠について説明してきましたので、今回はその治療法について詳しく説明したいと思います。
子宮外妊娠で、一番妊娠しやすいのは、子宮から出ている卵管という管ですので、卵管妊娠について詳しく説明したいと思います。
卵管妊娠の治療方針として、大きく分けて次の3つが考えられます。
それぞれについて説明していきますが、あくまで治療法の選択肢であり、各先生によっていろいろな考え方がありますので、実際の治療に当たっては、主治医の先生とよく相談して下さいね。
卵管を切除する方法
これが一番シンプルですね。お腹の中を見たとき、明らかに卵管が腫れていると、そちらの卵管をバシッと切り取って、それでおしまいです。
卵管というのは左右に1本ずつあるので、片方の卵管を切っても、もう片方が残っていれば自然妊娠は期待できるので、片方は切ってしまおうという治療法ですね。
卵管を切り開いて妊娠している部分を取り除く方法
次に、卵管は切り取らずに、妊娠している部分だけを取り除く方法です。かなり細かい手術になるのですが、うすーく卵管の壁を切って、妊娠している部分だけをポロッと取ることで、妊娠してしまった卵管を残しましょう、という方法。
卵管は残した方がいいんじゃないか、と言われると思いますが、やはり子宮外妊娠をしてしまった卵管を残す、ということは、またそこに妊娠してしまう可能性も残るわけですね。
なので、手術中に反対側の卵管を確認してみて、もう片方の卵管がしっかり通っていそうであれば、今回妊娠してしまった卵管は取ってしまうこともあります。
手術せずに薬で治療する方法
この治療は出来る人と出来ない人が分かれてきます。
具体的には、妊娠に伴うホルモンの値があまりに高い時には選べない治療法ですね。
ある程度、ホルモンの値が低ければ、手術はしないで注射だけで治療できる可能性があります。
妊娠している成分をやっつける薬があるので、それを注射して、あとはホルモンの値が下がっていくのを確認していく、という方法ですね。
この方法、手術しないからすごく便利だと思われるかもしれませんが、ホルモンの値が下がらなければ手術が必要になったり、注射した後に妊娠している部分が破裂して出血しちゃって、結局手術が必要になったりと、少々気が抜けない方法です。
なので、どうしても手術が嫌だっていう方には、そういったリスクをわかってもらった上で選ぶことがあります。
もっとも、ホルモンの値が低ければ、そこまで失敗するような治療法ではないんですが。
ざっと、子宮外妊娠の治療法について説明してみました。
卵管を切り開いて妊娠している部分を取り除いたうえで、薬で治療する方法も重ね合わせる、っていう方法もあったりして、治療法の選択に関しては、「これ!!」っていう決まった方針がないのが実情です。それぞれの担当の先生の考え方によって治療法が変わってくるので、よく相談して下さいね。
クラミジアって性病が何故怖いか
クラミジアってお聞きになったことはあると思います。
いわゆる性病ですので、外来でも検査の結果、「クラミジアにかかってますよ」とお伝えすると、少なからずの方はショックな表情をされます。
もちろん、中には「あー、クラミジアね、はいはい」って常連さんもいらっしゃるのですが。
このクラミジア、正直エイズみたいな怖さはないです。だいたいは飲み薬を飲むだけでよくなります。
しかも、仮にクラミジアにかかっていても、痛みが出ることも少ないですし、自覚症状がほとんどでなくて、全然気づかれないことも多かったりします。
けれど、この症状が少ないっていうのが、逆に怖いんですね。
何かしら症状があれば受診のきっかけになるんですが、症状がない以上、かなりの方が気づかずに感染している可能性が高いわけで。
ですので、こちらとしても「クラミジアに感染している可能性はありますか」って聞かれても、「検査してみないと何とも言えない」っていう言い方になってしまいます。
それで、このクラミジア、放置しておくと何が怖いかというと、、、
不妊症
の原因になりえるんです。
クラミジアっていう菌がお腹の中に入ると、癒着という現象を起こします。
これは、もともとくっついてない組織と組織がペタペタくっついちゃう現象です。
癒着が一度起こると、お薬で治療することはできません。
外科的に手術をして癒着を剥がすしか方法がないのです。
しかも、手術そのものが癒着の原因になったりもするので、癒着というのは本当に厄介者です。
もし、飲み薬で癒着の治療薬ができればノーベル賞ものです。それくらい癒着は面倒なものなんです。
で、クラミジアのせいで卵管が癒着してしまうと、卵管の通りが悪くなって、妊娠しづらい原因になるのです。
卵管っていうのは、子宮からお腹の中へ出ている2本の管なんですが、卵巣から排卵された卵子が精子と出会う大事な通り道。
ここがふさがってしまうと、自然妊娠は無理になってしまうんです。
ですので、卵管というのは非常に大事な臓器なんですが、クラミジアのせいで、この通り道が塞がってしまうんです。
つまり、クラミジアに感染したまま、長期間放置していると不妊症の原因になるのです。
卵管が閉塞するのは、クラミジアだけに限らず、子宮内膜症がひどくなった場合にも起こり得るので、クラミジアはもとより、子宮内膜症もあまり長期間放置しておくのは避けたいところです。
クラミジアの検査自体は、内診台にあがってもらって、子宮の出口を少し綿棒でこすればあっという間に終わる検査ですので、あまり怖がらずに受けてもらえると思います。
治療に関しても、内服薬を飲むだけでよくなることがほとんどですので、少しでも心配なことがあれば、産婦人科で相談してくださいね。