平和島レディースクリニック

診察室では説明しきれないことを中心に

内膜症手術の後の治療について

子宮内膜症で卵巣が腫れた場合は、チョコレート嚢腫と言ったり、内膜症性嚢胞と言ったりします。

 

生理痛が強かったり、卵巣の腫れが大きい場合には、手術して腫れている部分を取るのですが、その後の治療を何もしていない方が意外と多いのです。

 

そこで、今回は内膜症の手術をした後の治療についてまとめてみたいと思います。

 

まず、内膜症手術の後になぜ治療が必要かと言うと、それは「再発」しやすいからです。

 

内膜症そのものが体質的な部分があるという事、そして手術して取ったとしても顕微鏡レベルでの小さな内膜症までは取る事が出来ず、残った内膜症が年単位で大きくなってしまう事が考えられます。

 

そのため、手術をしたとしても、その後に継続した治療をしなければ、内膜症が再発する可能性が高くなってしまいます。

 

今回ご紹介するのは、こちらの論文。

 

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/m/pubmed/29992672/

 

こちらの論文では、2009年から2015年にかけて、内膜症の治療を受けた146人のデータを検討しています。

 

手術の後、何も継続した治療をしなかった人が83人

 

低用量ピルを継続した人が32人

 

ジェノゲスト(商品名はディナゲスト)を継続した人が27人

 

でした。そのうち、16人が内膜症を再発したのですが、12人は内膜症術後に何も治療を受けなかった人たちでした。

 

低用量ピルの群からは3人、ジェノゲストの群からは1人が再発しました。

 

つまり、無治療群での再発率は、12/83=14%

低用量ピルでの再発率は、3/32=9%

ジェノゲストでの再発率は、1/27=4%

と言う結果になりました。

 

再発した人のうち11人は、再発と診断がついた直後からジェノゲストによる治療を始めました。

 

そのうち7人は2年間治療を継続し、4人は再発した内膜症が完全に治りました。

 

 

以上のことから、内膜症というのは手術をしたとしても、無治療で過ごすと再発してしまう事があり、その再発率を下げるためには、手術後も低用量ピルやジェノゲストでの継続治療が必要、ということになります。

 

低用量ピルやジェノゲストを内服している間は妊娠の確率がほぼゼロになってしまうため、妊娠を希望している方は、出来るだけ早く妊娠する事が内膜症の再発予防にもなります。

 

生理痛自体は痛み止めや漢方でもコントロールできますが、内膜症の再発予防効果はないため、手術後の再発に関しては、婦人科でしっかり相談するようにしてくださいね。