平和島レディースクリニック

診察室では説明しきれないことを中心に

傷をキレイに治すために

時々、外来で

帝王切開の傷が目立つんですが

と相談されることがあります。


この「傷跡」が目立つものとしては


肥厚性瘢痕

ケロイド

というものが考えられます。

ケロイドというのは、傷跡からどんどん広がって正常な皮膚にまで広がるタイプですので、比較的少なくて、肥厚性瘢痕という状態のことが多い印象です。


そして、この肥厚性瘢痕を予防する方法としては、まずは


術後早期


からの対応が大事になってきます。


というのも、傷跡が広がる方向に力が加わっていると、傷自体が広がってしまって、肥厚性瘢痕になりやすいので、早い段階からテープで皮膚を寄せるようにするのが大切になってきます。


以前、勤めていた病院では、帝王切開の後の妊婦さんには全員そのように説明していて、専用のテープも購入してもらうようにしていたのですが、病院によっては、そのような説明までしていないところもあるようです。


ですので、もしこれから手術をする予定があれば、術後早期からの対応が大事だということは覚えておいてくださいね。



そして、もうすでに手術から時間が経っている、というかた。

肥厚性瘢痕であれば、数カ月から年単位で徐々に傷は目立たなくなっていくことが多いです。

そのほかには、トラニラストという飲み薬を半年ほど飲んでいると、8割近い人が痛みやかゆみ、赤みや固さが改善してきた、というデータもありますので、試してみてもいいと思います。


傷跡は仕方がない、と悩んでいる方は一度相談してみてくださいね。

手術を担当した先生だと、なかなか傷跡の「その後」まで詳しくないことも多いので、傷跡で相談するのであれば、形成外科がおススメです。