平和島レディースクリニック

診察室では説明しきれないことを中心に

帝王切開の吐き気には〇〇が効く

赤ちゃんが逆子であったり、前回帝王切開をしていたり、お産の途中で赤ちゃんが苦しくなったり、と様々な理由で帝王切開をすることがあるのですが、帝王切開中にお母さんが気持ち悪くなってしまうことがあります。

その原因の一つとして、麻酔によって血圧が下がってしまい、気持ち悪くなることがあるのですが、その対策として

しょうが

が効果がある、という論文を見つけたので、今日はそれを紹介したいと思います。


論文は

Zeraati et al.:The Effect of Ginger Extract on the Incidence and Severity of Nausea and Vomiting After Cesarean Section Under Spinal Anesthesia. Anesth Pain Med. 2016 Aug 15;6(5):e38943. eCollection 2016 Oct.


2016年に発表された、「脊椎麻酔にて帝王切開した後の嘔気に対するショウガの効果」というものです。

92人の妊婦さんを2つのグループに分けて、片方は手術1時間前に30mlの水を飲んでもらい、もう一方のグループは30mlの水にショウガの絞り汁を25滴入れて飲んでもらいました。


その結果、帝王切開中に吐き気が出なかったのは、水を飲んだ人たちの48%だったのに対して、ショウガ汁を飲んだ人たちでは76%になったのです。

正直、帝王切開中の吐き気って、ある程度仕方がないものと思っていた部分はあるのですが、実に8割近い人の吐き気が抑えられた、というのはかなり効果的な印象です。


今は開業して帝王切開をすることは無くなってしまいましたが、仲のいい産婦人科医に勧めてみて、その効果を聞いてみたいと思います。


ちなみに、手術前の飲食は禁止になっている病院も多いと思いますので、帝王切開前に自己判断で水分を摂ることはせず、担当の先生としっかり相談してくださいね。