平和島レディースクリニック

診察室では説明しきれないことを中心に

医師を目指したきっかけ

医師として働いていて、よく聞かれるのは「ご両親はお医者さんですか?」という質問です。

 

世間的には医者の子供が医者になる、という印象が強いようですが、私の両親は医師ではありません。母は専業主婦で、父は普通のサラリーマンでした。

 

父方の家系には医療関係者はほとんどおらず、母方の家系に何人か医師がいるのですが、私自身が医学部に入るまで、そのような情報は知りませんでした。

 

しかも、父は大の医者嫌い。というより、民間療法が大好きで、西洋医学に真っ向から反対していました。

母も「医者になったら、死ぬまで勉強し続けないといけないから大変だよ」と、あまり医者になることを勧めない環境で育ちました。

 

そんな中で私が医師を目指そうと思ったのは、13歳の頃。未だに鮮明に覚えている「難民キャンプ」の取材をしたニュースを見た時でした。

 

何度か「難民キャンプ」という言葉は聞いたことがあり、「キャンプ」というくらいだから、数日や数週間単位でのお話だと思っていました。

 

ただ、その「難民キャンプ」は取材した1年前の映像と、その1年後の映像が全く変わらなかったのです。

 

しかも、1年前にそのテント内で妊娠していた女性が出産して、赤ちゃんを育てていました。

 

その報道を見て、「キャンプ」というより「住居」になっていることに、子供心に衝撃を受けました。

 

画面の中に医師は出てきませんでしたが、当時の自分は「難民キャンプ」のように大変な思いをしている人のために働きたい、と強く思いました。

 

最も役に立つ資格は何か考えた時に、「医師免許」があれば、目の前の人を助けることができるんじゃないか、と医師を目指すことにしました。

 

そういった世界で活躍する医師が「国境なき医師団」という組織を作っていることも知り、医師になるまでは「国境なき医師団」に入るつもりでいました。

 

医師になってからは違う道を選び、今は産婦人科医として日本国内で働いていますが、もし違う人生を選べるのだとすれば、「国境なき医師団」で働きたい、という想いもあります。

 

開業したばかりですが、何年か経って落ち着いたら、そちらの仕事にも関わってみたいと思っています。何かを始めるのに遅すぎることはないですからね。

 

ということで、下のSK-Ⅱさんの「期限なんてない」というCMにうまくつながりました。