UFOに連れ去られた話
これは私が中学生だった時のお話です。
かなりショッキングな内容が含まれますので、心臓に持病をお持ちの方は、十分覚悟の上でお読みください。
あれは、私が中学三年生の頃でした。
当時、私は受験のために近所の塾に自転車で通っていました。
その日も、いつものように塾に行き、夜9時過ぎに授業が終わったので、1人で自転車で帰っていました。
すると、前の方の上空に小さくて白い点が3つほど浮かんでいるのが見えました。
気のせいかな、と思って自転車を漕いでいると、どんどんその白い点が近づいてくるのです。
何日か前にUFO特番を見たばかりの私は、宇宙人との遭遇が頭に浮かびました。
まさか自分にもUFOが来てしまったか、と
そんなことを考えている間にも、白くて丸いものは真っ直ぐこっちに向かって来ます。
しかも、3つの丸いものが全く等間隔で一糸乱れず向かってくるのです。
これは自然界のものではない、何か人為的なもの。
そう!UFOに違いないっ!!!
グングン近づいて来た物体は、ついに私の頭上にまで到達しました。
思わずブレーキをかけて自転車を止めると、何とその物体が私の真上で止まったのです!!
うわぁ!!!
まばゆい光に包まれて、私はUFOに吸収されるんだ!
父さん、母さん、今までありがとう、、、
・
・・
・・・
あれ、オカシイな
白い点が全く動かないし、まばゆい光も全然出てこないぞ
ん?
あ、あれは、ひょっとして!
そう!
あの電線の途中にある、あの白い丸だったんです、、、
だから、一糸乱れず近づいて来たんだ、、、
だから、自転車止めたら、そっちも止まったんだ、、、
「うわぁ!!!」と声をあげて自転車を止めた私の横を、訝しげに通り過ぎて言ったオジさん、私はこんなに立派になりました。
ちなみに、この白い丸、正式名称は
玉碍子(たまがいし)
と言って、片方の電柱が漏電した時に、もう一方の電柱に伝わるのを予防するための絶縁体だそうです。
以上、私がUFOに連れ去られ(そうになっ)た話でした。