現役産婦人科医の時間外診療

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現役産婦人科医の時間外診療

現役産婦人科医が診察室では説明しきれないことをまとめてみます

カンジダって治らないの?

このブログをより多くの人に知ってもらおうと、ツイッターでもブログ更新をツイートしているのですが、時々ダイレクトメールで相談されるので、今回はその一つについて説明したいと思います。

何度も再発するカンジダ、何とかならないの?


これは、普段の外来でも何度も聞かれます。

本当にカンジダは厄介です。

1回治っても、すぐ繰り返します。


そういう意味では、カンジダの完治、というのはとても難しいのです。

カンジダとは


 カンジダとは真菌という種類の菌です。

一言で言ってしまえばカビです。外来でサラッと「カビです」って言っちゃう先生もいますけど、そんな言い方ないですよね。

真実を伝えればいいってものじゃないと思うんです。

自分の体の中、しかも繊細な部分にカビがいる、なんて表現されたくないですよね。

だから、私は外来では「カンジダっていう菌」とぼかして説明しています。

ここではカビって言っちゃいましたけど、まぁ気にしないでください。

本当に多くの女性がカンジダになりますから。


手術が必要な患者さんを除けば、外来に新たに来る患者さんの半分近くはカンジダじゃないか、と思うくらいメジャーな病気です。


では、なぜカンジダがそこまでメジャーなのでしょうか。

それは、カンジダという菌が普段から腟の中にいてもおかしくない菌だからです。


普段からいる菌のことを

常在菌


と言います。


腟の中はもとより、人間の体の中で外の世界と触れる機会がある部分は、すべて常在菌がいます。

手を洗ったり、消毒をしたりしても、常在菌は存在し続けます。

しかし、常在菌は人間に悪影響を及ぼしません。

なぜなら、常在菌が生き続けるためには、人間も元気に生き続けてもらわないといけないので、持ちつ持たれつの関係なのです。


人間にとって常在菌のメリットは、悪さをする菌から人間を守ってくれることです。

皮膚表面に常在菌が存在することで、悪さをする菌が体に付くのを防いでくれているのです。

では、なぜ常在菌のカンジダが痒みという悪さをするのでしょうか。


それは、常在菌のバランスが崩れてしまうからです。


人間にとって、腟の中は乳酸菌がたくさんいるのが正常な状態で、カンジダはわずかに存在していればいいのです。

しかし、何かが原因でその乳酸菌が減ってしまうと、代わりにカンジダが増えてきて痒みの原因になりますし、他の菌が増えれば、オリモノが臭う原因にもなります。

カンジダの症状って?

1にも2にも痒みです。

カンジダがたくさん増えると、オリモノが白いポロポロした状態になったり、チーズ状になったりします。

典型的なオリモノになってくると、患者さんが「カンジダになりました」と自己申告できるくらい、自分でもわかるようなオリモノになります。

ただ、それはカンジダがたくさん増えたときの話。

「かゆいんですけど、カンジダじゃないみたいです」という患者さんのオリモノを検査してみると、しっかりカンジダが見つかることも多いのです。


痒みのほかには、腫れぼったい感じとか、ひりひりする感じを訴える方もいますね。

どうしてなるの

腟の中には乳酸菌がいるの正常な状態と説明しましたが、なぜ乳酸菌が減ってしまって、カンジダが増えるのでしょうか。

よくあるのは、風邪やニキビで抗生物質を飲んだ後から症状が出ます。


抗生物質を飲むことで、腟内の乳酸菌がやっつけられて、残されたカンジダが増えてしまうんですね。

抗生物質カンジダが減らないのは、カンジダが真菌という種類の菌だからです。


菌には大きく分けて、細菌と真菌がいるんですが、抗生物質は細菌にしか効かないんですね。

そのため、真菌をやっつけるためには、抗真菌薬というのを使わないといけないのです。


抗生物質を飲む以外には、生理前とか寝不足が続いたりとか、体調を崩したりとか。

そういったことで、やはり腟内の乳酸菌が減ってしまって、カンジダが増えてしまいます。


どうやって治すの

カンジダに効くのは、抗生物質ではなく抗真菌薬と説明しましたね。


ですので、カンジダ治療には抗真菌薬を使ってもらいます。

抗真菌薬としては、腟の中に入れる錠剤であったり、内服薬であったり、外側に塗る軟膏を使います。

カンジダが原因の痒みであれば1週間もしないでよくなることが多いですね。

フェミニーナ軟膏が効かないんだけど

痒みに効くといえばフェミニーナ軟膏というくらいメジャーな軟膏ですね。

CMでもよく聞きますので、まずはフェミニーナ軟膏使っておけば安心、というのもわかります。




ただし!


フェミニーナ軟膏ではカンジダは治療できません。


この軟膏に含まれるのは、麻酔作用を持つ成分と、アレルギー反応を抑えて痒みを抑える成分がメインで、カンジダの菌を減らす成分は何一つ含まれていないのです。


そのため、外来でフェミニーナ軟膏を使ったんですけど良くならないんです、という患者さんが来られて、診察してみると真っ赤になって、とても痛そうな状態になっていることがよくあります。

こうなってくると、カンジダの治療だけではなく、真っ赤になっている状態を改善しないといけないので、治療が長引くことになります。

一時しのぎとしてフェミニーナ軟膏は使ってもいいのですが、できるだけ早く受診するようにしてくださいね。


何度も繰り返すんだけど

さて、ここでやっと本題です。

ツイッターで質問いただいたように、繰り返すカンジダに対する治療法。

外来をカンジダで受診する方は本当にたくさんいらっしゃいます。

そして、決まって聞かれるのが予防法についてです。

でも、予防法は

ない


です。

と言ったら身も蓋もないですね。


まず、カンジダになる原因にさかのぼっていただきたいのですが、乳酸菌が減ったり、体調崩したりすることが原因と説明しました。


ですので、まずは体調管理。

体調を崩すことで免疫が低下して、カンジダになりやすくなりますし、また抗生物質を飲まないといけない病気にもかかりやすくなってしまいます。

抗生物質を飲めばかなりの確率でカンジダになってしまいますので、できるだけ抗生物質を飲まないといけない病気にはかかりたくないですよね。

カンジダの治療自体が長引くことはほとんどないので、カンジダになるのを恐れて抗生物質を飲まない、というのはダメですよ。


もう一つは、乳酸菌を維持すること。

これは海外の論文でも発表されているのですが、通常のカンジダ治療に加えて、乳酸菌を摂取することで、明らかにカンジダの再発率を下げることができた、と言われています。

腟の中には乳酸菌がたくさんいるのが正常ですので、乳酸菌を日ごろから摂ることで、カンジダになりにくくなる、というのはとても理にかなっている予防法ですよね。


また後日、乳酸菌がカンジダ予防に効く論文を紹介したいと思います。


(カンジダで悩んでる人は沢山いるので、今日のブログを「はてぶ」登録してもらえると、沢山の方に広まるので、よろしくお願いします。)

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