平和島レディースクリニック

診察室では説明しきれないことを中心に

卵管が腫れてるって言われたことありますか?

以前、卵巣が腫れていることについて説明したことがありました。



今回は、卵巣ではなく、卵管が腫れている場合について説明したいと思います。

まず、基本的な説明になりますが、卵巣というのは子宮の真横についている親指くらいの大きさの臓器で、いわゆる女性ホルモンを出している場所になります。

そして、その真横についているのが卵管という管。妊娠する際に、卵子と精子が出会う大切な通り道になるんですね。



この卵管という管が腫れてしまうことがあるんです。原因としては、以前お話ししたクラミジアであったり、子宮内膜症であったり、そういったことが原因で癒着してしまって、卵管の中に水が溜まってしまうことがあります。


多少卵管に水が溜まる程度であれば、たいして問題にはならないのですが、ものすごく腫れてしまった場合には痛みが出る場合もありますし、そこにバイ菌が入ってしまった時には、熱が出たりお腹が痛くなったりします。

そして、一番嫌なのが不妊症の原因になったり流産の原因になったりするのです。


不妊症の原因になってしまうのは以前説明したのですが、せっかく妊娠できても、卵管に水が溜まっているせいで流産してしまうなんて辛いですよね。

理由としては、卵管の中にたまった水が子宮の中に逆流してしまって、せっかく受精した卵が子宮の中に着床するのを邪魔してしまう、っていう説があったりします。

実際に、水が溜まっている卵管を切除することで、卵管に水が溜まっていない人と同じくらいの妊娠率に改善したという報告もあり、もし妊娠前に卵管に水が溜まっていることが判明していれば、外科的に卵管を取っちゃうことも考えた方がいいと思われます。


卵管に水が溜まっているかどうかは、内診台に上がってもらって超音波をすればわかることが多いので、積極的に妊娠を考えている方は一度検査を受けてみてくださいね。