現役産婦人科医の時間外診療

平和島レディースクリニック

診察室では説明しきれないことを中心に

クラミジアで卵管が詰まっちゃったら

以前、クラミジアに感染することが不妊症の原因になる、という説明をしました。


obgyne.hatenablog.com




クラミジアによる癒着で卵管が閉鎖してしまうっていう説明だったのですが、実際に卵管が閉鎖しているかどうかは、どうやって調べるのでしょう。

それは、

子宮卵管造影

といって、レントゲンを当てながら、造影剤を子宮の中に注入し、その造影剤が子宮から卵管を通ってお腹の中へ出てくるかどうか確認する検査方法です。

これをすることで、左右のそれぞれの卵管が通っているかどうかを調べることができます。


両方の卵管が通っていれば全く問題ないですし、仮に片方が詰まっていても、もう片方が通っていれば十分自然妊娠は期待できます。

ただし、両方の卵管が全く通ってない時には、やはり自然妊娠は厳しいかも、という考え方になります。

ここで大切なことは、子宮卵管造影で両方の卵管が詰まっているように見えても、それは100%詰まっているとは言い切れない、ということ。

どういうことかと言うと、例えば検査の緊張から卵管周囲の筋肉が収縮してしまって、一時的に卵管が詰まっているように見えてしまうことがあるのです。

そのため、「両方の卵管が詰まっている」という検査結果であっても、そのあと自然妊娠することもあり、子宮卵管造影の検査結果が絶対とは言い切れません。

もう一つ、子宮卵管造影検査で大事なことは、もともと卵管の通りが悪かった人が、卵管造影をすることで通りが改善して、妊娠率が上がる、という治療的な側面もあるということ。

その効果自体は半年ほど続くと言われており、なかなか妊娠しづらい方にとって、治療兼検査という目的で子宮卵管造影を受けてもらうことは、大事な治療方針となってきます。




では、もしクラミジア子宮内膜症で卵管が本当につまっちゃったらどうするのでしょう。

多くの病院では、卵管が閉塞してしまっていると、自然妊娠が期待できないので体外受精を勧められるかと思います。

体外受精というのは、卵巣の中で育った卵子を針で吸引して、体の外で直接卵子精子を受精させ、受精した卵を直接子宮に戻してあげる方法です。

こうすることで、「卵管」という卵子精子が出会う場所が塞がっていても問題なく妊娠できる方法なのです。

ただ、みなさんが何となくイメージしている通り、体外受精というのは非常に高価な治療法になります。何十万円っていう単位がかかりますので、そうそう簡単には選べない治療法です。


そこで、詰まってしまった卵管の通り具合を改善してあげよう、という治療法があります。

これは外科的、いわゆる手術で通り具合を改善するのですが、卵管鏡といって非常に細い管を卵管の中に通してあげて、詰まっているところを解消してあげる方法です。

相当専門的な治療で、出来る病院がかなり限られてくるので、どうしても希望される方は、一番近い病院を探して通ってもらう形になります。

また、実際に腹腔鏡という内視鏡手術でお腹の中から直接卵管を見ながら手術するという方法もあります。

卵管の出口部分が少し詰まっているだけであれば、腹腔鏡手術で詰まりを解除することで、6割から7割前後の妊娠率が期待できると言われています。


以上のことより、なかなか妊娠しないなぁと思っている方は、出来るだけ早く産婦人科を受診して、クラミジアや卵管のチェックを受けてくださいね。