現役産婦人科医の時間外診療

平和島レディースクリニック

診察室では説明しきれないことを中心に

チョコレート嚢胞って癌になるの?内膜症で卵巣が腫れてる人へ

生理痛がひどい原因として、子宮内膜症というものがあります。


生理痛を何とかしたくて婦人科を受診したら、卵巣が腫れてると言われた方もいるのではないでしょうか。
子宮内膜症というのは、それだけで生理痛のひどい原因になるのですが、時々それが原因で卵巣が腫れてしまうことがあるのです。

そして、子宮内膜症が原因で卵巣が腫れた場合、その腫れた腫瘍の中身は古い血液であることが多く、実際に手術をして腫瘍の中身を吸引してみると、いかにもチョコレートのような液体が出てくるので、

チョコレート嚢胞


といった呼び方もされています。


このチョコレート嚢胞、いわゆる良性腫瘍というやつなので、基本的には経過観察であったり、手術をして取ってしまえば、それでオッケーなんですが、とてもとても稀に悪いものだったりするのです。

いわゆる

卵巣癌

というやつです。


卵巣癌と良性腫瘍、全く違うじゃないか、と言われるのですが、その腫瘍が本当に良性なのか癌なのかを見分けるためには、腫瘍そのものを取ってきて顕微鏡で見てみないと、正確な診断はつけられないのです。

もちろん、手術をする前に、MRIという画像検査や、血液検査でだいたいのあたりを付けることはできますが、それでも100%良性腫瘍です、とは言い切れないのです。


では、どういった時にチョコレート嚢胞を癌だと疑うのか。


それは、

年齢と嚢胞の大きさ


です。


少なくとも10代の方で卵巣癌になっていることはまず考えなくていいでしょう。
40代で8㎝くらいあったら、少しは癌の可能性も考え始めます。
ここには厳密な線引きがあるわけではなく、なんとなく疑い始めるかな、という感じです。


3㎝以下であれば卵巣癌の確率はほぼゼロ、6~7cm以下であれば、卵巣癌の可能性は1%以下なんですが、8㎝以上になると卵巣癌の確率が1%を超えてきます。

もちろん、大きさだけではなく、超音波で診た結果や、血液検査、MRIの結果も踏まえて判断するわけですが、卵巣嚢胞があまり小さいうちから癌の心配をする必要はないし、ある程度大きくなってくれば、そろそろ手術も考えればいいのではないでしょうか。