現役産婦人科医の時間外診療

平和島レディースクリニック

診察室では説明しきれないことを中心に

生理痛つらいよね その6 ピルの血栓症について

避妊や生理痛に対して使っている

低用量ピルには、卵胞ホルモンと黄体ホルモンの二種類が含まれています。


そして、この二種類のホルモンを同時に服用することで心配される副作用が

血栓症

というもの。


血管の中に血栓という血の塊が出来てしまって、脳の血管を詰まらせてしまう脳梗塞だったり、肺の血管を詰まらせてしまう肺塞栓だったり、ひどい場合には命に関わる副作用です。


もちろん、この血栓症がおきるリスクというのは

非常に低くて、何も使ってない人で1万あたり1~5人程度。

それがピルを飲むことによって、3~9人に増えます。

この数字を多いととるか少ないと取るかは難しいところですが、生理痛がとてもつらくて寝込むほどの方には、ピル内服を十分考えてもいいのではないでしょうか。


ちなみに、この血栓症という病気、妊娠することでも起きてしまうんです。

妊娠中・分娩後12週間の間に血栓症が起きる確率は

1万人中50人ほど!


そう考えると、ピルのリスクはかなり低いと言えます。



もちろん、ピルによる血栓症=死というわけではなくて、ピル服用中の死亡率は10万人に1人程度ともいわれています。



この血栓症のリスクについては、日本産科婦人科学会に報告されていますので、こちらも参考にしてくださいね。


http://www.jsog.or.jp/news/html/announce_20131227.html




ちなみに、ピルの種類のひとつにルナベルというものがあります。



以前から発売されていたのは、ルナベルLD


そして、血栓症を軽減できるのでは、という目的で、卵胞ホルモンを減らして新たに発売されたのが、ルナベルULDです。


で、実際に副作用はどうなったかというと・・・


新しく発売されたルナベルULDでは不正出血の確率が高くなってしまいました。

その代わりに吐き気が出る確率は下がったのです。


つまり、不正出血の悩みが大きい方は新しいULDがおすすめ。

吐き気でLDがダメだっていう人は、ULDおすすめってことになります。




ただ、肝心の血栓症に関しては、現在のところ、LDもULDも違いはないようです。



あと、時々いらっしゃるのが一時ピルを飲んでいたんだけど、少しやめちゃって、また再開したい、という方。


もちろん、それでもいいんですけど、ピルの血栓症に関していえば、ピル飲み始めが一番血栓症が出やすい時期なんです。


なので、一度やめて、また再開すると、もう一度血栓症が出やすい時期を過ごさないといけなくなります。



いろんな理由があって、ピルを一時お休みするのはいいんですけど、せっかく飲んでて調子がいいのなら、あえて血栓症のリスクを心配するのはもったいないので、できればピルは飲み続けてくださいね。