生理を移動させたい人へ
旅行や受験など、この日にだけは生理がきて欲しくない、という時ってありますよね。
そういう時は、ホルモン剤を飲むことで生理を動かすことができます。
方法としては、生理を早める方法と遅らせる方法があります。
生理を早める方法について
生理の3日目から7日目までの間にピルを飲み始めてもらいます。
10日間から2週間ほどは内服してください。
内服が終わった後は、数日して生理がくることが多いです。
ただ、この生理を早める方法は時々失敗することがあります。
もし、ピルを飲み終わってもなかなか生理がこない場合は、妊娠してないことを確認した上で、ピルを再開することで、今度は生理を遅らせることができます。
生理を遅らせる方法について
この場合は、できれば生理予定の1週間ほど前からピルを内服してもらいます。
生理がきて欲しくない期間はピルを内服し続けてもらい、飲み終わって数日すれば生理がきます。
ただし、あまり長期間内服し続けていると、途中で出血してしまうので、注意が必要です。
ここまでで説明してきた
ピル
というのは、避妊の時に普段から飲む低用量ピルと、それよりホルモン量が多い中用量ピルの二種類があります。
低用量ピルだと、ホルモン量がすくないので、少し失敗しやすい、というのがありますし、中用量ピルだと、副作用で吐き気が出やすいので、飲み始めるタイミングに応じて使い分けることになります。
いずれにせよ、早めに受診してもらうに越したことはないので、もし生理を移動させたい、という希望があれば、その時点でまずは受診してみてくださいね。
避妊に失敗した時、どうしますか?
アフターピルというのを聞いたことはあるでしょうか。
これは、避妊に失敗した時に、後から避妊の為に飲むピルのことです。
普段から避妊の為に飲む低用量ピルというのは、排卵を抑えることで避妊するのですが、このアフターピルというのは、
受精卵が子宮内膜に着床するのを予防したり、排卵を遅らせることで、受精後にも効果を発揮するお薬です。
できるだけ早く飲むのがいいのですが、72時間以内に飲めば8割以上の確率で避妊が期待できます。
アフターピルを飲んだ方がいいの?
そろそろ生理がくる時期だからアフターピルは必要ないんじゃないか、と思われるかもしれません。
しかし、本当にそろそろ生理が来るのか確信は持てますか?
基礎体温を付けていればわかりますが、もし基礎体温を付けていないのであれば、排卵が遅れてしまって、次の生理も遅れてくるかもしれません。
そうなると、やっぱりアフターピルを飲んでおけばよかった、という話になります。
そのため、基礎体温をしっかりつけて排卵の時期が確実にわかっている場合を除いては、アフターピルは念のために飲んでおいた方がいいのです。
副作用は?
アフターピルを飲んだことのある方は、どうしても副作用で吐き気が出ることを心配される方がいます。
というのも、以前までのアフターピルは、12時間あけて2回飲んでもらっていたのですが、5割の人に吐き気が出て、実際に2割の人が吐いていました。
ただ、最近のアフターピルは1回飲むだけで大丈夫で、吐き気が出るのは、2割程度、実際に吐くのは5%程度ですので、かなり副作用は楽になっています。
その後の生理はどうなるの?
アフターピルを飲んだ後の生理についてですが、8割以上の人は、生理予定日の前か2日後以内に生理がきます。95%の人は、生理予定日の7日後までに生理がきます。
もし、生理が予定より7日以上遅れたり、普段より軽い場合は、妊娠の可能性がありますので、検査を受けてくださいね。
ピル内服中に生理がなくなった方へ
ピルの副作用で、最初のうちは不正出血が多いのですが、内服を続けているうちに、不正出血はなくなります。
ピルの4週目、もしくは3週間飲んだ後の休薬期間に生理がくるのですが、年単位でピルを飲んでる方の中には、急に生理がこなくなる方がいます。
その時に、一番心配なのは
妊娠
ですね。
ピルを飲んでいても、仮に飲み忘れがなくても、避妊の効果は100%ではないのです。
そのため、もし生理がこなければ、念のため、妊娠検査薬でチェックしてみてください。
もし、そこで妊娠反応が陽性に出るようなら、受診が必要になります。
妊娠検査薬で陽性でも子宮の中ではなく、外に妊娠してる可能性もあります。
そのため、できるだけ早く子宮内に妊娠している確認が必要になります。
ただ、妊娠検査薬で陰性だった場合は、特に気にせずにピルを飲み続けてもらって大丈夫です。
次の周期では、いつものように生理がくることも多いですから。
ピルを飲んでるのに、変な出血が出ます
ピルの副作用の大きな一つとして
不正出血
があります。
ピルを飲み始めた周期で比較すると
1周期目が35%
2周期目が25%
3周期目は20%
6周期目には13%
と、内服を続けることで、不正出血の確率は減らすことができます。
ただし、長期間出血が続く場合には、悪いもの、すなわち癌が無いかどうかを調べる必要があります。
というのも、ピルを長期間内服することで、子宮頸癌のリスクが上昇する、という論文があるからです。
癌の可能性が否定できれば、出血していてもピルは続けてもらっても大丈夫です。
以前、ピルを簡単に処方して血栓症の説明をしない酷い病院について書きましたが、同様にピル内服中の不正出血に対して、しっかり癌のリスクを説明しているクリニックでピルは処方してもらってくださいね。
新しく彼氏ができたら、性病が心配!!
新しく彼氏ができたり、彼氏が性病っぽかったりすると、自分も性病じゃないかと不安になりますよね。
実際、性行経験のある女子高校生の1割近くがクラミジアに感染したことがある、というデータもあるくらい、クラミジアはとても身近な性病になってしまいました。
では、性病が心配、となった時に、どのような検査を受ければいいのでしょうか。
クラミジア、淋菌、HIV、梅毒といった性病がメジャーな性病検査になってきます。
まずは、
クラミジア
について。
クラミジアに感染しても症状が出ないことが多いです。
そのため、心配であれば調べるしかないでしょう。
同じく、
淋病
も女性は症状が出ないことが多いので、クラミジアとセットで調べることが多いです。
これらの病気に関して言えば、オーラルセックスの広がりと共に、咽頭にクラミジアや淋菌が感染していることも増えたので、咽頭の検査も合わせてした方がいいでしょう。
HIV
性病に感染したかも、と心配になって、一番不安になるのがHIVではないでしょうか。
感染初期には、
発熱
喉の痛み
だるさ
筋肉痛
のようなインフルエンザに似た症状がでることがあります。
その後、何も症状が出ない時期が5〜10年続いてから、エイズが発症します。
今ではHIVの治療薬も進歩しており、早く見つけて、早く治療すれば、すぐに亡くなるような病気ではなくなってきました。
治療が上手くいけば、HIVに感染していても、感染していない人と同じくらい生きられるようになってきたのです。
ただし、あくまで早期発見・早期治療ができたら、という仮定の話です。
ですので、HIVは早期発見のために、検査を積極的に受けてください。
梅毒
約3割の男性で症状が出ないのですが、女性では6割近くが無症状です。
そのため、こちらも積極的に検査を受けた方がいいでしょう。
以上のように、性病に関しては、全く症状が出ないものも多いため、心配なことがあれば、積極的に検査を受ける、という習慣をもちましょう。