避妊に失敗した時、どうしますか?
アフターピルというのを聞いたことはあるでしょうか。
これは、避妊に失敗した時に、後から避妊の為に飲むピルのことです。
普段から避妊の為に飲む低用量ピルというのは、排卵を抑えることで避妊するのですが、このアフターピルというのは、
受精卵が子宮内膜に着床するのを予防したり、排卵を遅らせることで、受精後にも効果を発揮するお薬です。
できるだけ早く飲むのがいいのですが、72時間以内に飲めば8割以上の確率で避妊が期待できます。
アフターピルを飲んだ方がいいの?
そろそろ生理がくる時期だからアフターピルは必要ないんじゃないか、と思われるかもしれません。
しかし、本当にそろそろ生理が来るのか確信は持てますか?
基礎体温を付けていればわかりますが、もし基礎体温を付けていないのであれば、排卵が遅れてしまって、次の生理も遅れてくるかもしれません。
そうなると、やっぱりアフターピルを飲んでおけばよかった、という話になります。
そのため、基礎体温をしっかりつけて排卵の時期が確実にわかっている場合を除いては、アフターピルは念のために飲んでおいた方がいいのです。
副作用は?
アフターピルを飲んだことのある方は、どうしても副作用で吐き気が出ることを心配される方がいます。
というのも、以前までのアフターピルは、12時間あけて2回飲んでもらっていたのですが、5割の人に吐き気が出て、実際に2割の人が吐いていました。
ただ、最近のアフターピルは1回飲むだけで大丈夫で、吐き気が出るのは、2割程度、実際に吐くのは5%程度ですので、かなり副作用は楽になっています。
その後の生理はどうなるの?
アフターピルを飲んだ後の生理についてですが、8割以上の人は、生理予定日の前か2日後以内に生理がきます。95%の人は、生理予定日の7日後までに生理がきます。
もし、生理が予定より7日以上遅れたり、普段より軽い場合は、妊娠の可能性がありますので、検査を受けてくださいね。
ピル内服中に生理がなくなった方へ
ピルの副作用で、最初のうちは不正出血が多いのですが、内服を続けているうちに、不正出血はなくなります。
ピルの4週目、もしくは3週間飲んだ後の休薬期間に生理がくるのですが、年単位でピルを飲んでる方の中には、急に生理がこなくなる方がいます。
その時に、一番心配なのは
妊娠
ですね。
ピルを飲んでいても、仮に飲み忘れがなくても、避妊の効果は100%ではないのです。
そのため、もし生理がこなければ、念のため、妊娠検査薬でチェックしてみてください。
もし、そこで妊娠反応が陽性に出るようなら、受診が必要になります。
妊娠検査薬で陽性でも子宮の中ではなく、外に妊娠してる可能性もあります。
そのため、できるだけ早く子宮内に妊娠している確認が必要になります。
ただ、妊娠検査薬で陰性だった場合は、特に気にせずにピルを飲み続けてもらって大丈夫です。
次の周期では、いつものように生理がくることも多いですから。
ピルを飲んでるのに、変な出血が出ます
ピルの副作用の大きな一つとして
不正出血
があります。
ピルを飲み始めた周期で比較すると
1周期目が35%
2周期目が25%
3周期目は20%
6周期目には13%
と、内服を続けることで、不正出血の確率は減らすことができます。
ただし、長期間出血が続く場合には、悪いもの、すなわち癌が無いかどうかを調べる必要があります。
というのも、ピルを長期間内服することで、子宮頸癌のリスクが上昇する、という論文があるからです。
癌の可能性が否定できれば、出血していてもピルは続けてもらっても大丈夫です。
以前、ピルを簡単に処方して血栓症の説明をしない酷い病院について書きましたが、同様にピル内服中の不正出血に対して、しっかり癌のリスクを説明しているクリニックでピルは処方してもらってくださいね。
新しく彼氏ができたら、性病が心配!!
新しく彼氏ができたり、彼氏が性病っぽかったりすると、自分も性病じゃないかと不安になりますよね。
実際、性行経験のある女子高校生の1割近くがクラミジアに感染したことがある、というデータもあるくらい、クラミジアはとても身近な性病になってしまいました。
では、性病が心配、となった時に、どのような検査を受ければいいのでしょうか。
クラミジア、淋菌、HIV、梅毒といった性病がメジャーな性病検査になってきます。
まずは、
クラミジア
について。
クラミジアに感染しても症状が出ないことが多いです。
そのため、心配であれば調べるしかないでしょう。
同じく、
淋病
も女性は症状が出ないことが多いので、クラミジアとセットで調べることが多いです。
これらの病気に関して言えば、オーラルセックスの広がりと共に、咽頭にクラミジアや淋菌が感染していることも増えたので、咽頭の検査も合わせてした方がいいでしょう。
HIV
性病に感染したかも、と心配になって、一番不安になるのがHIVではないでしょうか。
感染初期には、
発熱
喉の痛み
だるさ
筋肉痛
のようなインフルエンザに似た症状がでることがあります。
その後、何も症状が出ない時期が5〜10年続いてから、エイズが発症します。
今ではHIVの治療薬も進歩しており、早く見つけて、早く治療すれば、すぐに亡くなるような病気ではなくなってきました。
治療が上手くいけば、HIVに感染していても、感染していない人と同じくらい生きられるようになってきたのです。
ただし、あくまで早期発見・早期治療ができたら、という仮定の話です。
ですので、HIVは早期発見のために、検査を積極的に受けてください。
梅毒
約3割の男性で症状が出ないのですが、女性では6割近くが無症状です。
そのため、こちらも積極的に検査を受けた方がいいでしょう。
以上のように、性病に関しては、全く症状が出ないものも多いため、心配なことがあれば、積極的に検査を受ける、という習慣をもちましょう。
妊娠できるか調べたい!!!不妊症じゃないかな・・・
特別、避妊をしっかりしてるわけでもないのに、なかなか妊娠しない方がいます。
多くの場合は、たまたまタイミングが合ってないだけなのですが、やはり何か原因がないか気になると思います。
そこで、不妊症かも、と思った時に、まず調べる検査について、今回は説明したいと思います。
基礎体温測定
基礎体温計という特別な体温計を購入してもらって、毎朝体温を測り、グラフにします。
一般的な体温計より細かい温度まで測れないといけないので、少しだけ特殊な体温計になっています。
毎日体温を測ってグラフにするのが面倒だという方は測るだけでiPhoneやアンドロイドに体温を自動転送して、勝手にグラフにしてくれる優れものもあります。
多少、体温がガタガタしたり、1日くらい計測し忘れたりしても大丈夫です。
完成した体温グラフが、大まかに低温と高温の二つに分かれているかどうか、高温が10日以上、安定して続いてるかどうかをチェックします。
超音波検査
子宮筋腫や卵巣の腫れがないか確認します。
また、卵巣の中でうまく排卵に向けて卵胞が育っているかどうかもチェックできます。
卵胞というのは、生理の後に徐々に大きくなっていき、だいたい2㎝ほどになると破裂して、中にある卵子が外に出て、妊娠の備えます。
ホルモン検査
卵巣から出るホルモンや、卵巣を刺激するために頭から出るホルモンなどを測定します。
生理初日から数えて3〜7日目に採血することで、卵巣を刺激するホルモンがしっかり出ているかどうかをチェックします。
また、体温が高くなる高温期の真ん中あたりで採血して、高温を維持するためのホルモンが十分出ているかもチェックします。
クラミジア検査
採血でクラミジア抗体と言うのを調べます。
いわゆる性病検査で調べることが多いのは、子宮そのものにクラミジアが感染しているかを調べる事が多いです。
しかし、妊娠できるかどうかで大事なのは、子宮そのものより、卵管のあたりまでクラミジアが感染しているかどうか、ということです。
卵管が詰まっていると、妊娠しづらい原因になるからです。
子宮そのものにクラミジアが見つからなくても、卵管の方にはクラミジアがいる可能性を考えると、子宮そのものだけをチェックするのは、やや不十分。
そこで、このクラミジア抗体というのを採血で調べます。
クラミジア抗体というのは、クラミジアそのものに抵抗する成分。
一度でもクラミジアが体内に入ると、抗体というのができるため、過去の感染を調べることもできます。
感染初期に増えるタイプの抗体や、一度でも感染するとずっと存在し続ける抗体もあるので、それらを調べて、治療の必要があるかどうかを判断します。
卵管通過検査
卵管が通っているかどうかを調べる検査です。
精液検査
意外と見落とされがちなのが、この精液検査。
なかなか妊娠できない不妊症の原因のうち、女性に原因がある確率と、男性に原因がある確率は、ほぼ同じと言われています。
不妊症というと女性中心で治療するイメージもあるかと思いますが、男性にも原因があることは多く、2人で治療していく気持ちがなければ、うまくいきません。
精液検査をして、精子の数や、動いている精子の割合を調べます。
以上のような検査が
妊娠できるかどうか
を調べたい方には受けてもらう検査になります。
基礎体温は受診しなくてもできる検査ですし、クラミジアに関しては早期発見、早期治療が鍵になります。
ぜひ一度はチェックしてみてくださいね。